ハーリーとは、サバニと呼ばれる船を漕いで競い合い、豊漁と航海安全を願う島の伝統行事です。
今から600年前の琉球王朝時代に中国から伝来。宮古島の離島、伊良部島の佐良浜地区には、今から130年前の1887年(明治20年)ごろ、糸満の漁師から伝えられたといわれています。宮古諸島では最古の歴史があるといわれる佐良浜ハーリーは、島人総出でハーリーを祝い、歓喜に包まれます。
ハーリーで使われるサバニと呼ばれる船
宮古島と3540mの橋でつながるこの島を「カツオが空飛ぶ伊良部島」と島人は称します。
それは、伊良部島がカツオ漁で栄えた島でもあり、また本当にカツオが空を舞う日があるからです。正確には生のカツオのぶつ切りが空を飛び、佐良浜ではオオバンマイと呼んでいます。
旧暦5月4日に行われる佐良浜ハーリー オオバンマイ。あまりにも豪快な漁師町の風習に度肝を抜かれることと、血しぶきで服もグジョングジョンになることは間違いなしの伊良部島の名物行事です。

早朝から始まる島の一大行事、まずは大パレートから

旧暦5月4日、海神祭の朝は空一面に広がる雲。梅雨明けにはまだ遠い気配を感じる朝8時前、伊良部島の佐良浜漁港では、色とりどりの大漁旗がはためいていました。
大漁旗を揚げていっせいに海へ向かう船
そして、グレイの雲を蹴散らすように大音量で流れる演歌。すでに漁師達は、朝5時半には大漁旗を揚げていっせいに海へ向かい、祈願をすませて戻ってきており、船上では宴会が始まっていました。漁港には、保育園児からお年寄りまでが大集合し、朝からものすごい熱気です。
そんな中、海神祭の開会を告げるセレモニーが始まりました。漁協組合長らの挨拶に続いて、カミンマが航海安全と大漁を海に祈願します。
そして、島民総出で佐良浜地区の人々にとっては聖地である大主(オハルズ)神社の大パレードが行われます。
大主神社の前で祈る女性らの姿
「わっしょい!大漁!」子ども達のかわいらしい声と、漁師町らしい趣向をこらした小道具がパレードに花を添え、沿道から見ているだけでもとても楽しい。大主神社の前で祈る女性らの姿にも心打たれます。
楽しいパレード
島民総出で安全祈願

見応え満点!気迫溢れるサバニレース

パレードの後には、住民らによる余興と続き、いよいよサバニレースです!
サバニレースは、1艘のサバニに10人の漕ぎ手と一番後ろに舵取りが乗り込み、前里添えで5艘、池間添えで3艘競漕行われます。
1艘のサバニには10人の漕ぎ手と舵取りが乗り込む
屈強な海の男達がサバニに乗り込み、いよいよ競漕が始まりました!
「ゴーヘイゴーヘイ」男達の野太い掛け声、ピタリと息があったかいさばきは迫力満点です。平日にもかかわらずギャラリーは多く、港にずらりと並んでの応援は気合いが入っていて、こちらも思わず熱くなってきます。
港にずらりと並んでの応援
中学生のレース、職域対抗のレースも続いて繰り広げられ、子ども相撲や大人相撲、舞台ではカラオケ大会から演劇と、まるでお祭りのように一日中、豊漁と航海安全を願う宴は続きます。
子供たちの相撲
お昼前にいよいよ行われるのが、カツオが空飛ぶ佐良浜名物オオバンマイです。勇ましい漁師の魂が雲を蹴散らしたのか、いつの間にか空には晴れ間がのぞいています!

2トンのカツオが空を飛ぶ佐良浜ハーリーオオバンマイ

漁港では着々と佐良浜名物のオオバンマイに向けての準備が進められています。4艘の船が港に寄せられると、発泡スチロールに入ったカツオが運び込まれ、ビニール合羽を身につけた人や段ボール箱や大きな籠を持った地元民がぞくぞくと集まり、島の女性らが誰それとなく踊り出し、港のボルテージは最高潮に達した時…
佐良浜名物のオオバンマイに向けての準備
続々と集まる地元民
最高になる港のボルテージ
いよいよカウントダウンが始まり、軍艦マーチが流れ、大歓声が沸き上がると、カツオが空を飛びました!オオバンマイの始まりです!
4層の船からは、いっせいに空高くカツオが放り投げられます。下では手を伸ばし、ダンボールを掲げ待ち構える人達の大歓声が響きます。
留まることなく、どんどんどんどんカツオが上空を舞います。
いよいよオオバンマイの始まり
いっせいに空高くカツオが放り投げられる
撮影のため特設ステージから見下ろしていた私ですが、いても立ってもいられなくなってしまいまして(笑)、写真撮影を中断して、カツオに群がる人の渦に飛び込みました!

これぞ佐良浜名物オオバンマイ!飛び散る血しぶきがその証

興奮の渦の中に突入した途端、水しぶきならぬ血しぶきがぴしゃりとかかりました。カツオが空を飛ぶ、といっても、この日に飛ぶのはカツオのぶつ切り、切り身です。
なるほど、ビニール合羽を着用したり、ポリ袋をすっぽりとかぶっている人の理由が今更のようにわかるわけです。それでも、熱気に押され、嬉々としてカツオを拾うのに夢中になってしまいました。
それにしても、皆さんお上手です!段ボール箱でキャッチするのは当たり前、片手でつかんだり、アスファルトに落ちたものも3秒ルールですかさずビニール袋に詰め込みます。
この日に飛ぶのはカツオのぶつ切り
やがて、軍艦マーチが鳴り止み、2トンのカツオはすべてこの空を飛びました。約8分間の熱い時間は、あっという間に終了、私もどうにか5切れをゲットしました。
洋服に飛び散る血しぶき
そして、これが伊良部島のオオバンマイの証といっていいのでしょうか?
洋服に飛び散る血しぶき。途中参加であったにもかかわらず、私も同様の状態です。

分け合うことで福を呼ぶ、佐良浜ハーリーオオバンマイ

オオバンマイの語源は、「大盤振る舞い」だといわれています。あまりに豪快で盛大な大盤振る舞いですが、漁協の普天間一子さんに聞くと以前は日常的に行われていたそうです。
昔は毎日のようにオオバンマイが行われていた港
毎年5月から始めるカツオ漁。シーズンが始まって初の豊漁となった日は、その船が大漁旗を掲げて港に帰ってきます。それを見た島民みんなが港に駆けつけ、船主は豊漁を祝って船上からカツオのぶつ切りを投げ、振る舞っていたそうです。いく日かして、また別の船が大漁して帰ってきたら同様に港に人が集まり、船主がカツオを振る舞う、と毎週のようにオオバンマイが続いたそうですが、15年ほど前からハーリーの日にまとめてオオバンマイが行われるようになったそうです。
島に夏を呼ぶ佐良浜ハーリー オオバンマイ
豊漁の喜びをより多くの人々と盛大に分け合うオオバンマイ。
空飛ぶカツオも、喜びも、みんなで分け合うことでさらに福を呼び、島に夏を呼ぶ、佐良浜ハーリー オオバンマイ、豪快な漁師町ならではの伝統です。

スマートポイント

伊良部島の佐良浜地区には、サバウツガー(リンク飛ばす)という井戸があり、佐良浜の歴史文化を感じられる名所です。絶景スポットでもあるのでぜひお立ち寄りください。

カツオ漁が盛んな伊良部島の佐良浜地区には、おいしいお土産品も数多くあります。半生のカツオ節を燻製したなまり節やカツオ味噌がおすすめです。

佐良浜ハーリーオオバンマイに参加するなら、血しぶきで服が汚れることは避けれません。汚れても良い服装かビニール合羽を着用することをおすすめします。

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ライターのオススメ

「ビニール袋を持ってきたか?」佐良浜で最初にいわれた言葉です。コンビニの袋があったので「はい」と答えたものの、あの時おじさんがいったのは、ポリ袋のことだったんだなと気づき、来年の教訓としました。

Writer : 砂川葉子

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岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

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