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2016.09.14

ここだけにしかない「紅型陶器」
南城市のCOCOCO

writer : 福田展也

きれいな芝生の庭
きれいに手入れされた緑の芝生に白いペンキで塗られた木製のフェンス。神秘的なパワーが感じられる御嶽(沖縄の聖地)のような小さな杜に隣接する不思議な空間。「何があるんだろう?」と気になってしょうがなかったその場所に アトリエ+ショップ COCOCOがありました。
広がる庭
鉄製のハンドルを引いてドアを開けると、再び壁が!でも、ちゃんと「atelier+shop COCOCO」と書かれた表札がありました。壁を右手に身を翻すと、亜熱帯の樹々が根付く琉球石灰岩の小山が、さらに右側に目を転じると緑の芝生が広がっています。

小憎らしいほど粋なアプローチにおもてなしの心遣いを感じながら、ふかふかの芝生を歩いて行くと陶芸家のヨコイマサシさんが笑顔で出迎えてくれました。

旅のすべての思い出がパッケージになった特別な体験を

陶芸家のヨコイさん
「お客さんがわざわざCOCOCOを探して、旅先の見知らぬ道を迷いながらやってきてくれるわけじゃないですか。だから、ここの陶器を気に入って買ってくれるまでのプロセスと、旅先で食べたものや出会った人とか旅のすべての思い出がパッケージになった特別な体験をお客さんに手渡したいんです」
天窓からの光
ヨコイさんが語るように、ここで「お土産」を買うことが、旅行を終えて日常に戻った時に沖縄をもう一度「旅し直す」ようなことができるとしたらどんなに素敵だろう。案内されるまま、コバルトブルーの引き戸を開けると、天窓から差し込む南の島の太陽がお店の中を明るく照らしていました。

心がほっこりするする器

たくさんのやちむん
一つひとつ丁寧にディスプレイされている陶器達は、伝統的な沖縄のやちむん(焼き物)とはテイストがかなり違います。
ペアカップ
あるものは沖縄自然海岸を移し取ったかのようなブルーグリーンとサンドベージュのシンプルな色使いが印象的。別の器には大きな入道雲に飛行機や船が描かれています。隣のカップの上では大きな流れ星を背景にヤンバルクイナを思わせる鳥が大地を走っていたりします。
心落ち着く色
どの器からも、典型的な沖縄らしさは感じられませんが、心がほっこりするような独特なメルヘンの世界感には沖縄が比喩的に描かれているようです。

絵を眺めるように想像の翼を広げてみる

繊細な絵
「夢の中で出てくるような風景でしょ」とヨコイさん。「お土産として買っていった器に紅茶を注いで、例えば日曜日の朝にのんびり過ごしていたりするその時に、器に描かれた絵にふと目がいって、このドアって、どこにつながっているんだろうと思ってもらえたら最高です」と言葉が続く。
自由な絵
「作家のストーリーを押し付けるつもりはないんです。描かれた絵を眺めて自由に想像してほしいんです」。ヨコイさんはジブリが大好きで、パイロットを目指していた時もあり、『風立ちぬ』の主人公のように飛行機に関わる仕事につきたいと、流体力学を学ぶために一度は国立大学の工学部に進学したこともあるのだそうです。

紅型と陶芸が融合した沖縄初の「紅型陶器」

オリジナル作品
そんなヨコイさんにはもう一つの画期的な作品があるんです。それは「紅型陶器」。名前の通り、沖縄を代表する伝統工芸の一つ、紅型染めと陶器を組み合わせた今までにない作品です。工業的にプリントするのではなく、紅型染めと同じように一点一点を紅型作家と一緒に共同で作り上げるので、その質感からは凛とした奥ゆかしさが感じられます。
紅型陶器
「実は、この紅型陶器のアイデアは陶芸の世界に入る前から温めていたんです。華やかな紅型と、シックな陶芸にはそれぞれの良さがあるじゃないですか。艶やかな紅型をシンプルな色使いと濃淡で表現することできっとおもしろい世界が広がるんじゃないかと考えたんです」
独特な世界
そう語るヨコイさん。実際に制作に取りかかると、なかなか思った形にならず、予想していた以上に苦戦をしたそうですが、読みは間違っていなかったようです。

「お客さんと会話するのが楽しいんです」

おしゃれな表札
2004年に考案して、実際に商品化できたのは2008年のこと。三万円代が中心だという価格帯にもかかわらず、表札の注文が増え、今では木製のフレームで額装したバージョンや、足をつけた平皿など、バリエーションも少しずつ増えているのだとか。
楽しい制作
東京での安定したプロダクトデザインの仕事を捨て、リアルでダイレクトな関係性を実感できる仕事を選んだヨコイさん。自分の手で生み出したものをお客さんとの対話を通じて手渡していく毎日が楽しくて仕方がないのだそうです。

スマートポイント

  • 表札は在庫があるものなら約二週間、柄や色のオーダーは約2カ月でお渡しできるそうです。陶器の他、紅型染めや柿渋染めの小物、フェルトのアクセサリーも販売しています。また、工房部分では、事前予約制で1日陶芸体験教室も開催しています。
  • 敷地内には「沖縄の美味しい」を瓶に詰めて販売しているビンfoodのカフェ部門、 cafe'eju'(イージュ)'があります。ビンfoodの商品もお土産におすすめです。
  • アトリエ+ショップ COCOCOから車で3分ほどの場所には、沖縄のローカルの間で抜群の人気を誇るドライブスポット、奥武島があります。奥武島はトビイカの天日干しや、スクという小魚の漁で知られるうみんちゅ(漁師)の島。フリッターのように衣が分厚い沖縄の天ぷら屋さんが軒を連ねていますので食べ歩きもオススメです。

ライターのおすすめ

COCOCOを訪れた後は、沖縄のロケーションカフェの草分け浜辺の茶屋と昔ながらの自然海岸が残る百名ビーチへ。ヨコイさんの器に描かれた世界観と重なる、沖縄の海辺の風景をぜひ楽しんでみてください。

福田展也

目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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