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観光観光

2019.10.10

[久米島]散歩で新たな発見
真謝のチュラフクギ

writer : 糸数麻美

2016年10月に久米島を直撃した台風18号。自然の怖さを改めて感じた今回の台風では、野球場の屋根が飛ばされたり、電柱が折れたり、特産品の車エビなども相当な被害に遭いました。
そんな過酷な環境の中、島人を守り続けてくれたのが、大地にしっかりと根を伸ばしたフクギの存在でした。
フクギ
「福を呼ぶ木」ともいわれているフクギは、防風や防火に最適な樹木として、昔から家の周りに植えられ、大切に育てられてきました。台風が近づいても、背の高いフクギに囲まれた家々では、「フクギが、守ってくれているから安心さ~」と、人々の心に安心感を与えてくれています。今回のような猛烈な台風からも、守り神のように、私達の家を守ってくれました。
そんなフクギの中でも、真謝のチュラフクギは、島の観光名所として、昔から多くの観光客の目を楽しませています。

久米島自慢の美しいフクギ並木

真謝(まじゃ)と呼ばれる集落にある真謝のチュラフクギは、県道の真ん中に40mにわたって続いているフクギ並木です。県道を広げる工事のため大部分が削られ、現在はその一部が残されていますが、それでも道路の中心に、ドーンとそびえ立っています。樹齢は200年以上ともいわれるフクギの景観は、とても美しく、沖縄県の天然記念物にも指定されています。
フクギ並木
真謝のチュラフクギ
絶好のフォトスポットですが、道路の中央にあるため、記念撮影をする際は、十分気を付けて下さいね。

地元ガイドと歩いてみよう

島人にとっては、日常過ぎて、じっくり散策する人は少ないですが、真謝のチュラフクギのある真謝は、実はとても魅力的な集落のひとつなんです。
今回、久米島町観光協会が主催している「久米島紬の里 真謝集落散策」のガイドをしている新垣希(あらがきのぞみ)さんに、真謝集落を案内してもらいました。
新垣希(あらがきのぞみ)さん
真謝集落散策は、島の伝統工芸である久米島紬の展示資料館「ユイマール館」を拠点に、地元ガイドが名所・旧跡・古民家などを歩いて案内していく、島の学校体験プログラムのひとつだそうです。
新垣さんに案内されたのは、なんと、島の小学校。美﨑小学校の敷地内には、大きな石垣がありました。こちらは、旧仲里間切蔵元跡・石牆(きゅうなかざとまぎりくらもとあと・せきしょう)という、琉球王朝時代の役所があった場所だそうです。
大きな石垣
石垣のアップ
石垣は、珊瑚石灰岩で、その高さは3mほど。門の部分は、四角に切られた石がまるでブロックのように、ピッタリと形を合わせ、きれいに積み上げられていました。
門を潜り抜けた先にあるスペース
門を潜り抜けたこちらの場所は、島のご高齢の方々がグランドゴルフをしたり、旧暦のお盆の時期には、エイサーを開催したりと、現代でもなお、人々の集まるコミュニティースペースとして利用されているそうです。しばらく散策していると、カタンカタンと耳に響く音が聞こえてきました。「紬を織っている音なんですよ」と、新垣さんの計らいで、今回、タイミングよく、紬を織っているお宅におじゃまさせてもらいました。
黙々と作業をしている織子さん
手作業で丁寧に織られていく美しい久米島紬。黙々と作業をしている織子さん。織子さんの想いが込められた伝統工芸品は、久米島の宝です。真謝集落には、このように国指定重要無形文化財である久米島紬の織子さんが多くいる集落だそうです。タイミングが合えば、紬を織っている場面も見学できるかもしれませんよ。後ろ髪をひかれつつ、まだまだ散策は続きます。
沖縄に伝承されている樹木の妖精キジムナーが住んでいたという古民家や、座礁した中国船を助けたお礼に建てられたお堂の見学、沖縄の道でよく見かける石敢當(いしがんとう)の由来など、新垣さんは、自作のスケッチブックを使って、絵を描いたりクイズを出題しながら、わかりやすく楽しく真謝の集落をガイドしてくれました。
紬を織っているお宅
自作のスケッチブック
スケッチブックに書かれたナカジルン殿内(トゥンチ)の文字
真謝散策のガイドは、新垣さんを含め、現在3名。案内するガイドによって内容も異なるそうです。地元ガイドしか知らない、とっておきの久米島情報が満載なので、ガイドブックには載っていない、別の顔の久米島に出合えるかもしれません。

島暮らしが気になったら

旅先で、「いつか、ここに住んでみたいなぁ。」と感じることはありませんか?久米島滞在中に、島暮らしへの憧れが出てきた人におすすめしたい場所が、真謝のチュラフクギからほど近い場所にある仲原家(なかはらけ)。
仲原家(なかはらけ)
仲原家は、久米島の歴史学者・教育者の仲原善忠氏の生家だそうです。現在は、移住窓口相談として、3名の「久米島ぐらしコンシェルジュ」(通称・島コン)が常駐し、移住やUターン希望者の窓口になっているそうです。
移住窓口相談となっている仲原家の中
突然の取材に、素敵な笑顔で出迎えてくれた島コンの石坂達(いしざかとおる)さんと古谷亜沙美(ふるやあさみ)さん。「島の求人や空き家情報などがあれば、ぜひ仲原家に持ってきてください!移住相談以外でも、島の人や観光客の人も、気軽にフラッと立ち寄れて、島暮らしに関するゆんたく(おしゃべり)を楽しめる場になればうれしいです」と、島コンのお二人。
台所
座敷
移住相談だけではなく、窓口がOPENしていれば、仲原家の室内を見学することもできるそうです。久米島の歴史を感じる赤瓦の木造瓦葺、母屋やフール(豚舎と便所)も残されている仲原家は、あまり知られていない穴場の観光名所。仲原家の営業時間であれば、自由に利用できるそうなので、休憩ポイントとしても活用できます。きれいなトイレも利用できますよ。

レンタカーで島観光も良いですが、島内の集落をのんびり散策すれば、久米島の新たな魅力が発見できるかもしれませんね。
赤瓦の木造瓦葺

スマートポイント

  • フクギの周辺は、蚊がかなり多く発生するので、季節を問わず、虫よけ対策はしっかりと。
  • 仲原家の営業時間は、10~16時まで。日・月・祝日と年末年始はお休み。営業時間中でも外勤のため、不在や臨時休業の日もあるそうです。
  • 新垣さんがガイドを務める「久米島紬の里 真謝集落散策」は、要予約。詳しくは、久米島町観光協会までお問い合わせを。

ライターのおすすめ

フクギ並木といっても短い距離なので、車ではすぐ見終わってしまう真謝のチュラフクギですが、散策してみるとおもしろい発見がたくさんあります。ぜひ、暮すように歩いて観光してみてください。

糸数麻美

東京出身。元旅行代理店カウンター勤務。島で唯一のベビーシッターが、魅力いっぱいの久米島をご案内します。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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