沖縄本島南部の東海岸に位置する海辺のまち与那原町。南部へ向かう時に通過することはあっても、観光で訪れたことのある人は少ないのではないでしょうか。近年は開発が進み、「マリンタウン東浜」として新たな商業施設や住宅エリアが整備されています。一方で、与那原町といえば大綱曳といわれるほど伝統行事の綱曳が有名です。那覇、糸満と並んで沖縄の三大大綱曳に数えられ、旧暦の6月末には、まち全体がこの伝統行事に熱く燃え上がります。
与那原大綱曳

440年の歴史

与那原大綱曳の起源は、琉球王朝時代まで遡り、440年以上の歴史があるといわれています。地元の民話によると、その昔、干ばつと害虫による不作で村は飢饉に襲われました。困り果てた村人らは、村の長老に相談すると、田んぼにわずかに残った藁を集めて綱をない、松明をつけ、銅鑼を鳴らして綱曳すると良いと教わりました。その言葉に従い、村人は雨乞いの願いを込めて作った大綱で綱曳をしました。すると銅鑼や太鼓の音で害虫は逃げ出し、豊作となったそうです。
与那原町
以来、与那原町では健康と豊作を願って、この伝統行事を旧暦6月26日に行ってきました。現在ではこの日以降の日曜日、新暦では7、8月頃に開催しています。2017年は、8月19、20日に予定されています。

龍のような大綱の練り

旗頭の舞「ガーエー」
与那原大綱曳は、えびす通りを境に町内を東西に分けて対戦を行います。他地域の大綱曳と異なり、ここでは二本の大綱を東西から会場へ運び、そこでつなぎ合わせて綱を曳き合います。祭りの日曜日の朝、この綱を運ぶ行列の練り「道ジュネー」が両地区から出発しますが、まず東西のシンボルである旗頭の舞「ガーエー」で始まります。
行列の練り「道ジュネー」
ガーエーの後、いよいよ大綱の練りが出発。「前舞(メーモーイ)」と呼ばれる着物姿の地元の女性たちが行列の前を行き、綱を手招きするように歌い踊って先導します。綱の上には、「支度(シタク)」という勇壮な侍姿の青年が乗り、地元の男性たちが中心となって何本もの担ぎ棒を使って運んで行きます。これには大変な労力が必要となりますので、観光客も一緒になって大綱を運びます。
大綱を運ぶ様子

会場の熱気も最高潮

銅鑼や法螺貝の音で賑やかな中、東西の大綱がメイン会場に到着し。まずは、前舞の女性達が輪になって踊ります。旗頭も加わってガーエーを行って士気を高めます。
前舞の女性達
舞が終わると、いよいよ与那原大綱曳決戦の時です。まずは東西雌雄の大綱をカナチ棒と呼ばれる丸太でつなぎ合わせます。参加者一丸となって大綱を寄せ合うこの作業は、他の地域の綱曳でも見られる光景ですが、与那原ではここから一気に進んでいきますので目が離せません。
大綱をつなぎ合わせる様子

決戦は激しい速攻勝負

東西の大綱がカナチ棒で結合され、大綱が地面に落とされると、綱の上に乗った支度が飛び降り、担ぎ棒を引き抜く。それが開始の合図となっていっせいに曳き合います。この時もただ曳くのではなく、綱を地面に叩きつけるように上下させながら曳くので非常にダイナミックです。また数分で決着がつく、激しいスピード勝負でもあります。対戦は二回ありますが、一本目に勝った方がその年の勝者になるので、初戦は特に気合いが入る一戦です。
曳き合い
勝負の後は、参加者全員で踊ります。旗頭もガーエーを行い、この時に旗頭同士を激しくぶつけ合い、壊れるまでやるのもここの特徴です。
ガーエー

イベント満載のプログラム

与那原大綱曳まつりは、土日の二日間、与那原小学校向かいの与那原町御殿山青少年広場で開催されます。観客席やステージが設けられ、屋台が立ち並びます。
沖縄角力
綱曳以外にも沖縄角力やエイサー、音楽ライブ、そして最後に花火と多彩なプログラムで、イベントは夜まで続きます。2016年のステージでは、沖縄民謡からポップス、オールディーズなどいろんなジャンルのアーティストが出演。ラストには、沖縄市を拠点に活動するフィリピン出身バンドPRYZMによる洋楽カバーで野外フェスさながらの盛り上がりでした。
2016年のステージ
大綱曳が実施される日曜日の午後3時からは、会場と臨時駐車場間をシャトルバスが随時運行する予定となっています。その他イベントの詳細につきましては、ウェブサイトを参照下さい。
野外フェスさながらの盛り上がり

スマートポイント

会場でも味わえる与那原特産のトビイカの一夜干しは絶品!

広場は土で整備されているので、ブルーシートなど敷物があると便利です。

帰りは渋滞するので、状況によっては国道329号を避け、那覇方面へ行くのも県道77号を北上し西原町方面へ迂回したほうが良いでしょう。

J-TRIP沖縄ツアー
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ライターのオススメ

道ジュネーから実際の綱曳までトントン拍子で進んでいくので飽きさせません。伝統行事だけでなく、他のプログラムも充実しているので、家族で丸一日楽しめるのが大きな魅力です。毎年の日程は参考サイトでご確認ください。

Writer : 岡田竜平

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映像制作、翻訳業をしながら沖縄各地を探索中。フォトグラファーとしても活動。

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