JR室蘭駅から、白鳥大橋までちょっとした歴史さんぽに出掛けませんか? 鉄のまちとして知られる室蘭ですが、明治時代は、当時の重要なエネルギー源だった石炭を、船で道南へ運ぶための積み出し港として発展しました。
旧室蘭駅舎
空知地方の幌内炭鉱で採れた石炭を運ぶ、鉄道の終着駅だった旧室蘭駅舎。そしてかつての本道だった旧札幌通(さっぽろどおり)沿いに立つ歴史的建造物、石炭積み出しの事務所だった旧三菱合資会社室蘭出張所へ。ここはアートなキャンドルギャラリーでも知られています。
入り口
さらに、昭和の人口増で造られた旧絵鞆(えとも)小学校の珍しい円型校舎を見学したら、ふもとに「道の駅みたら室蘭」がある白鳥大橋まではすぐそこ。車なら5分で行けるルートですが、じっくりと室蘭の歴史を味わいたいなら、歩いて散策するのがおすすめ。徒歩で4kmほど、見学時間も含めて約2時間のコースです。

観光案内所もあって便利、北海道最古の木造建築駅舎

まずは、建築百年以上の歴史を持つ旧室蘭駅舎から。JR室蘭駅ロータリーの先にある道道699号線を、右側に歩いて約5分の所にあります。1897(明治30)年の室蘭停車場から2回の移築を経て、この建物は新築された三代目。1912(明治45)年築、“北海道で現存する貴重な最古の木造駅舎”として、国の登録有形文化財にも指定されています。
案内所
いまは観光案内所と多目的ホール、バス待合の休憩所などにも使われています。観光案内所にはパンフレットなどもあるので、室蘭観光の情報をゲットしておきましょう。展示コーナーには建築当時の駅や、1975(昭和50)年まで走っていたSL、当時の町や人々の姿などの写真展示ほか、鉄道ファンにはたまらない展示が並んでいますよ。
室蘭駅看板
展示
札幌時計台と同じ寄せ棟造りで、白い漆喰塗りの建物にも見逃せません。レンガの煙突や車寄せの天井飾り、特徴的な六つの屋根窓などもご注目。
展示2

レトロな建物をそぞろ歩き、宇宙キャンドルギャラリーも

次は、旧室蘭駅舎から信号を渡って黄色い釣具店のわきにある「日本一の坂」を上ってみましょう。すぐ道道と平行する通りに出ます。ここは昔、札幌通と呼ばれたメインストリート。旧札幌通沿いには、卸問屋として栄えた1923(大正12年)「旧丸越山口紙店」のレンガ倉庫など、歴史的な建物がいくつも残っています。
レンガ造り
室蘭出張所
旧札幌通が道道と合流する地点にあるのは、薄いグリーンの板張り壁が印象的な旧三菱合資会社室蘭出張所。1915(大正4)年の建築で、旧三菱合資会社(現在の三菱マテリアル)が石炭の積み出し事務所として使用、石炭の質を分析する作業も行っていました。玄関の奥には歴史展示室があって入場は無料。宇宙キャンドルなどのアーティスティックなキャンドルミュージアムも併設しています。
昔は室蘭港の海
かつて、この建物のすぐ前には室蘭港の海が広がっていたのだとか。ちょっと昔に思いをはせながら進むと、また違った風景が見えるかもしれませんね。

昭和ノスタルジーを誘う、珍しい円型の元小学校校舎

だんだんと白鳥大橋が見えてきました。が、ちょっと待って! 北海道でも珍しい、小学校の円型校舎を見に行きませんか? 祝津町1-7の交差点を左折すると、右手に校舎を眺められるグラウンドがあります。昭和30年代のベビーブームで教室が不足していた時期、限られた空間で多くの部屋を確保するためにこのようなデザインの小学校が建てられたのだとか。
円型校舎
絵鞆小学校は、ダブルで円型校舎が並んでいるのもポイント。ちょっとした撮影ポイントでもあります。学校内には入れないため、正面よりは、グラウンド側の道路から見学するのがおすすめ。残念ながら2015年に廃校となりましたが、卒業生でもある写真家の関浩勝さんによる、校舎の美しいライトアップ写真で新たに注目されるようになりました。今後は、建物の特徴を生かしたイベントなども考えられているそうです。
夜の円型校舎

提供写真:Hirokatsu Seki

見どころがいっぱい、白鳥大橋のたもとでゴール!

道道699号線に合流すると、ゴールはもうすぐ。白鳥大橋へ向かう白鳥新道のループが、間近に迫力を持って感じられます!
左に進めば、白鳥大橋記念館(道の駅みたら室蘭)の建物が見えてきます。構想から完成までに半世紀を費やした白鳥大橋について学べる、白鳥大橋記念館はぜひ見学してみて。
白鳥大橋
白鳥大橋2
道の駅の喫茶コーナーで名物「室蘭うずらのプリン」(430円)やソフトクリームでひと息入れるのもおすすめです。
室蘭港や大黒島からの眺め
室蘭港や大黒島の眺め、そして1998年に完成した白鳥大橋の美しいフォルムが楽しめるこのエリア。室蘭水族館や祝津公園、白鳥大橋展望台など見どころもいっぱいです。
ランチにはエンルムマリーナの喫茶店でホッキ貝を使った名物「母恋(ぼこい)めし」やむろらん屋台村の室蘭やきとりなどの美味をどうぞ。明治から現在までの室蘭を知ると、旅がもっと親しみ深いものになってきますよ。

スマートポイント

歩いてゴールした場合、帰りは道の駅みたら室蘭前のバス停「みたら・水族館」から道南バスがJR室蘭駅や室蘭観光協会前(旧室蘭駅舎)まで通っています。乗車料は250円です。

旧室蘭駅舎前の道路を渡った先にある室蘭八幡宮は、高台にあるので室蘭港や町の眺めを楽しめます。春は桜の名所としても知られるこの神社、鳥居までの石段はきつめなので、かかとの高い靴は避けたほうが無難。

旧室蘭駅舎から歩いて5分あまり、JR室蘭駅の斜め向かいにある「室蘭市港の文学館」もおすすめ。室蘭ゆかりの作家に関する資料を見学できるほか、本や雑誌を読んだりコーヒーを飲んだりと、ゆったり過ごせますよ。

ライターアイコン

ライターのオススメ

車で行くなら、ルートの続きで工場夜景はいかが? 白鳥大橋を渡り、国道37号線を少し西へ進んだ白鳥湾展望台は、近未来的に輝く工場群と白鳥大橋のコラボレーションが望める絶好のビュースポットです。

Writer : タカハシアキコ

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北海道移住歴20年。亜熱帯の血を持つ寒がりライター。お手ごろで魅力的なモノやスポットを発掘すべく歩き回っています。

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