100年近い歴史を持つ北海道を代表する酪農家、町村農場。現在の地に移転する前の農場があった江別市いずみ野に、邸宅や牛舎などが資料館として残っています。それが「江別市旧町村農場」です。
旧町村農場
敷地面積は11,319平方メートルと広く、開放感があります。北海道酪農の先駆者である故町村敬貴がつくった農場の跡地には、旧邸宅や製酪室、サイロ、牛舎が残されており、色々な資料や当時の農機具など、町村農場の創成期を知ることができる貴重なものたちが展示されています。敷地内には緑が溢れ、ベンチに座ってゆったり過ごすこともできます。
ベンチ
北海道における酪農の歴史を学びながら、その時代に思いを馳せるには最高のスポットです。

牛づくりのパイオニアの歴史を知ろう

札幌郊外にある江別市旧町村農場へは、JR江別駅からバスいすみの団地行きに乗って約10分。札幌市街からは、車で40分くらいです。
「町村農場」の歴史は、1917年(大正6)年に町村敬貴氏が石狩郡(現在の石狩市)樽川にてホルスタイン種を購入、町村農場を開設したのがはじまりです。町村氏は、札幌農学校卒業後、アメリカに酪農実習で10年間留学。最新の酪農技術を学んできました。帰国後、その知識を存分に活かして農場を経営し、いまの北海道酪農の礎を築いたのです。
町村敬貴氏         
1927(昭和2)年には、江別町対雁(現在の江別市いずみ野)に用地50ヘクタールを購入して移転。その頃の邸宅と牛舎、サイロ、製酪室などの貴重な歴史的建物が復元・整備され、1996年から江別市旧町村農場として一般開放されています。2007年には近代化産業遺産として経済産業省に認定されました。

贅沢な洋館、旧町村邸のレトロ感を味わう

外観を一見しただけでも、当時としてはとても豪華な洋館だと感じる旧町村邸。他ではなかなか見ることがないデザインです。
旧町村邸
2階建てですが、1階のみ一般開放されており、町村敬貴氏の肖像画が飾られた応接室、四つあるテーマ別展示室、ラウンジ、研修室を見学することが可能です。
1階内観
展示
なかでも、ラウンジには旧町村農場の全体模型があり、細部まで忠実に再現されています。ぜひ実際に見てほしいところです。
全体模型
入場口には町村農場のバター、牛乳といった乳製品が販売されていて、敷地内のベンチなどで味わうこともできます。注目は、昔懐かしい「まちむらアイスクリーム」と書かれたレトロな冷蔵庫。いまでも現役で美味しいアイスクリームを冷やし続けてます。こちらも必見です。
まちむらアイスクリーム

貴重な牛舎とレンガ造りのサイロが美しい!

レンガ造りのサイロが印象的な牛舎です。ひときわ目立つこの牛舎は1927(昭和2)年から翌年にかけて建築された「キング式牛舎」というもので、大変貴重なものです。
牛舎
レンガ造りのサイロ
キング式というのは室内外の温度差を利用した換気システムのこと。町村敬貴氏の留学先、アメリカのウィスコンシン州立農科大学のキング教授が考案したもので、本家アメリカでもほぼ見ることができないといわれています。なかに入ってみると、いきなり牛が! よく見ると、等身大の模型。ちょっと驚きます。
キング式牛舎
その奥にはずらっと並ぶ農機具が。ダイオー抜き、除草ハロー、ヘィカッタなど聞きなれない農業機械名がここでは紹介しきれないほどたくさんあります。
牛舎内部

製酪室、ここが町村バターの原点!

創業当時、レンガ造りの製酪室では「バター」が作られていました。室内は洗瓶室とバター製造室で、実際に使われていた器具が並んでいます。
バター製造室
作業はすべて人の手によるもので、手作りバターの味が人気でした。ガラスケースのなかには、その時代のバターのレッテルや包装用箱などが展示されています。
パッケージデザイン
パッケージデザインは、いま見てもモダンで素敵です。実は現在の町村農場のチーズケーキなどの商品包装にも現役として活かされているんです。機会があれば見比べて確認してみるのも楽しいと思いますよ。
レンガ造りの製酪室

緑あふれる地で昭和初期の北海道酪農に思いを馳せる

敷地内には樹齢85年の「ハルニレ」、樹齢90年の「イチョウ」をはじめ、大きく立派な樹木がたくさん立っています。
大きな樹木
そんな大木に囲まれた木陰のベンチに座ると、とても涼しく感じ、夏の暑さも忘れてしまうことでしょう。また、「MILK」と書かれた車止めもシャレが効いて、可愛くてユニーク。癒されますね。
犬の散歩で敷地内をゆっくりと歩く人、木々をじっくりと眺めながら過ごす人、色々な人たちがこの地を憩いの場として利用しています。
昭和初期から続いてきた町村氏の酪農に賭けた熱い想いを感じられるスポットです。ぜひ足を運んでみましょう。

スマートポイント

敷地内には樹木に覆われた散歩道が整備され、そこに集う小鳥たちをたくさん見ることができます。バードウォッチングに最適です。

敷地内のトイレがレンガのサイロを模したデザインです。実際のサイロと同じ色使いでサイズをそのまま小さくしたような姿がとても可愛いです。あまり見かけないタイプなので必見です。

冬の間は館内には入れませんが、敷地には出入り自由ですので雪景色の白い旧町村農場を見るのも一興です。

ライターアイコン

ライターのオススメ

毎年5月に「春の感謝祭」、10月には「秋の感謝祭」というイベントがあります。町村農場の乳製品はもちろん、江別市内の農家さんが育てた特産品や野菜の苗などが購入できます。時期が合えばぜひ行ってみて下さい。

Writer : マーヴェリック

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映画会社出身。現在は、クリエイター法人経営者兼"カメライター"。
観光・グルメ系雑誌で多数の取材・撮影実績がある観光特産士でもある。

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