膨大なレコードコレクション！
試聴もできる新冠レ・コード館

新冠の町おこしとして誕生したレ・コード館

新千歳空港から襟裳岬に向かう途中にある太平洋沿岸の町、新冠。昭和の競馬界を一世風靡した名馬ハイセイコーの銅像が目印の「レ・コード館」は、1997年「20世紀の文化遺産であるレコードで町おこしをしよう」と言うレコード愛好家の発案を元に誕生しました。全国から寄贈された約98万枚のレコードはすべてデータベース化され（現在約42万枚が登録完了）大切に保管しています。館内はレコードに最適な温度と湿度に保たれて、ゆっくりとくつろげる居心地のよい空間になっています。

いまではあまりお目にかかれないLPレコードのジャケットの数々に、まずは圧倒されます。洋楽や邦楽、ポップスやジャズなど、ここにないレコードは「ない！」というほど、さまざまなジャンルがズラリ。ジャケットを見ているだけで、その時代の流行りの曲がふんわりと脳裏に流れてきそう。館内ではほぼ毎月、ライブや音楽イベントも行われ、アーティスティックな活動拠点になっています。

心和むレコードの音色を試聴しましょう！

「レ・コード館」の語源は、繰り返す意味のReと、ラテン語の心を表すCordを合わせたもの。レコードの音色を聴いて、心の記憶を呼び覚ますという意味が込められています。


館内では、たっぷりとラックに収められたレコードを自由に選びだし、無料で試聴できるコーナーが人気。レコードの音色は、時間が経つのを忘れてしまうほど心が和みます。「いまでも新しいレコードが発売されているんですよ」と話す、レ・コード館副主幹の楫川（かじかわ）聡明さん。販売数は少なくなりましたが、CDのほかにレコードもしっかりと作られてるとは驚きです！

エジソンが発明した蓄音機などが展示されているミュージアムや、日本最大級のスピーカーでレコードが聴けるレ・コードホールは有料（300円）で楽しめます。

新冠の町を一望できる展望台でのんびりとレコードを

新冠のシンボルタワーでもある優駿の塔は高さ36m。建物の中心からエレベータで上がります。展望台から大きな窓越しの見えるのは太平洋。その手前には長く伸びた日高線の軌道に、新冠の街並みが広がります。視線を山側に向ければ、日高地方独特の牧歌的な風景が広がっているのが目に飛び込んできますよ。

レコードを聴きながらお茶が飲める喫茶コーナーもあって、見晴らしのいい憩いのスポットになっています。展望台は無料で上がれるので、旅の途中にくつろぎながら眺めてみて。１階のお土産ショップでは、音符をモチーフにしたかわいらしいグッズが目をひきます。女性客にとても人気ですよ。


新冠町は競走馬の生まれ故郷。「レ・コード館」の馬碑もレコード型にデザインされています。ここで思い出の曲を見つけて、ゆったりと記憶の旅に出る…。味わい深いレコードの音色は、訪れる人を非日常の世界へと誘ってくれること間違いなし。遠い町までレコードを聴きに来た…なんて旅も風情があって素敵ですね！