詩仙堂
1641年、元武士であり漢詩の大家、煎茶の開祖と言われる石川丈山によって「詩仙堂」は造営されました。作庭師としても名高い丈山による、四季折々の風雅を感じる庭園が実に見事。
詩仙の間から眺める庭
名の由来である36名の詩人像が飾られた「詩仙の間」や書院、そこから眺める庭と聞こえてくる「ししおどし(僧都)」の音。石川丈山が隠棲の地として愛した「詩仙堂」をぜひ一度訪れてみてください。

武人であり文人の石川丈山とは

ひっそりとした佇まい
16歳の頃より徳川家康に仕え、大坂夏の陣まで武士として活躍。もともと書物を愛し文武両道に秀でた丈山は、33歳で引退したのち朱子学や禅を学びながら59歳で「詩仙堂」を造営します。ひっそりとした佇まいはまさに隠棲にふさわしく、その凛とした空気から丈山の思いが伝わってきそうです。
書
漢詩の代表的人物で、さらに書道や茶道、作庭にも精通していました。「詩仙堂」を巡っているとそれらを間近で味わえ、また五感で感じられるはず。時の経つのを忘れます。

音のある風景を楽しんでみる

ししおどし
「ししおどし」とは竹筒に水を引き入れ、溜まった水が重くなると竹筒が反転。その水が流れ出て元に戻るとき、竹筒が石を打ちそこで涼やかな音を鳴らします。別名「僧都」とも言い、元は農民が畑に入る鹿や猪を音で遠ざける目的として考案された道具。これを日本庭園に取り入れたのは丈山が初めてだそう。静寂な堂の中をこの音が響き渡るたびに、丈山は心癒されたといいます。
洗蒙瀑
そして「洗蒙瀑」が石を打つ音、さらさらと庭内を流れる渓流の音。「詩仙堂」は音のある風景を楽しめる場所でもあります。

中国の詩人36人の肖像画を飾る「詩仙の間」

中国の漢晋唐宋の詩家36人の肖像
中国の漢晋唐宋の詩家36人の肖像を、狩野派を代表する天才絵師・狩野探幽に描かせ、各詩人の詩を丈山自らが書き入れて上部四方の壁に掲げました。これが「詩仙堂」の名の由来になる「詩仙の間」。詩人の選定は日本の三十六歌仙に倣い、また林羅山の助言も得ながら丈山が決めたのだそう。
詩仙の間の壁
詩人の肖像画に書き添えられた美しい詩とその書体もまた、丈山の思いが込められています。

風景に包まれ、溶け込む心地よさ

唐様庭園
丈山自ら設計した「詩仙堂」の唐様庭園は名園と名高く四季折々に色合いを変えるその庭は、ため息が出るほど。白砂が敷き詰められた庭には、まん丸に刈り込まれたサツキが愛らしく並び、庭園の東側から流れ出る遣り水が空間に動きを与えます。
サツキ
6月初旬は特にサツキが素晴らしく、夏には新緑、秋には赤や黄に覆われる紅葉谷。嘯月楼を草花越しに階下から見あげても、また違った風景が広がるでしょう。
詩仙の間から降り立って眺める庭
眺めるだけでなく庭を散策するのも忘れずに。書院から眺める庭と、詩仙の間から降り立って眺める庭ではまた趣が異なり、歩いているうちに、自然に風景に溶け込んでいくような心地よい体験ができます。さまざまな草花たちと出会えるのも楽しみのひとつ。

「凹凸窠(おうとつか)」と「十境」

凹凸窠
「凹凸窠」というのは起伏の激しい様子を表したもので、デコボコした土地にこの建物を建てたという意味。「詩仙堂」」はその一角なのです。この凹凸窠に「十境(十種の風景)」を見出し、詩仙堂の入り口に立つ小さな門「小有洞(しょうゆうどう)」、石段を登り詰めたところに「老梅関(ろうばいかん)」、老梅関の右手に「凹凸窠門(おうとつかもん)」と続き、深い井戸「膏肓泉(こうこうせん)」や「洗蒙瀑(せんもうばく)」「僧都(ししおどし)」など風雅の異なる十境をゆっくり楽しんでみてください。
詩仙堂外観と竹

スマートポイント

入り口では絵葉書や解説書、お念珠なども売っていますよ!記念にどうぞ。

室内撮影は禁止ですが、室内から庭に向かってや庭の撮影はOKです。

庭には約130種類の草花が植えられていて、それらをひとつひとつ観察するのも楽しい!

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庭を眺めながら、ししおどしののどかな音が響くのを心待ちにしてしまいます。

Writer : 鈴木ナナ

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人間観察、食べ歩き、酒場めぐり、映画、旅が好き。魑魅魍魎の住む京都で、毎日よそもんの観光気分。

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