節分と言えば鬼と豆。京都でも多くのお寺や神社で節分にちなんだお祭りが行われますが、その中でも異彩を放つのが、廬山寺で執り行われるストーリー仕立ての追儺式(ついなしき)の鬼法楽(おにほうらく)。通称、鬼おどりと呼ばれ、京都を代表する節分行事として、多くの雑誌やTVに取り上げられています。

3色の鬼が踊る廬山寺の鬼法楽

節分に鬼が出没する廬山寺は、京都御苑のすぐ東隣に位置するお寺。
廬山寺
天慶1(938)年、延暦寺の僧であり、厄除け大師の名でも知られる元三大師良源(がんざんだいし りょうげん)の手によって開基されました。

廬山寺で行われる節分会、追儺式鬼法楽(ついなしきおにほうらく)は、開祖の元三大師が300日の護摩供を行っていた際に、修行を邪魔するために悪鬼が現れるも、護摩の法力と独鈷、三鈷と呼ばれる法器をもって降伏させた故事に由来しています。

鬼法楽は、開運と福寿増長を祈る元三大師が護摩を焚くために本堂へ入る場面からスタートします。
元三大師
鬼法楽は鬼おどりとも呼ばれていて、手に武器と松明を持った3色の鬼が、独特の足拍子を取りながら、本堂前の特設舞台に出現。
手に武器と松明を持った3色の鬼
3色の鬼は、人間の善性を邪魔する三種の煩悩を表し、赤鬼は貪欲、緑鬼が瞋恚(しんい)・憎悪、黒鬼が愚痴をそれぞれ体現しています。
赤鬼
3色の鬼
黒鬼

鬼法楽の後半戦

特設舞台に現れた三鬼は本堂へと進み、堂内で護摩を焚く元三大師をゆっくりと取り囲みます。
元三大師を取り囲んだ鬼たち
元三大師を取り囲んだ鬼たちは、大師の修行を邪魔しようと護摩壇の周りをグルグルと回りますが、大師は負けじと護摩供を続行し、鬼たちはどこかへ消えてしまいます。

そこへ法弓を持った追儺師(ついなし)が舞台に現れ、弓をつがえ、東・西・南・北・中央の五カ所に矢を射ます。
法弓を持った追儺師(ついなし)
これは元三大師が使用した降魔矢で、悪鬼や邪霊を降伏したことに由来します。

降魔矢が追儺師の手によって射られると、元三大師の護摩の法力、追儺師の降魔矢によって打ちのめされた三鬼が、苦しみながら武器も捨てて境内奥から鬼たちが苦しみながら特設会場を通って、逃げていきます。
逃げていく鬼たち
鬼が去った舞台では、蓬莱師と福娘の手により、さらなる平和を願って、蓬莱豆と福餅が撒かれます。
蓬莱豆と福餅を撒く蓬莱師と福娘
蓬莱豆は紅白一粒づつ食べると寿命が6年延び、福餅は開運出世するといわれています。
福娘
蓬莱豆

鬼が治療を行う鬼のお加持

また廬山寺の鬼法楽では、その前後に、改心した鬼が治療する、鬼のお加持(かじ)が行われます。

鬼おどりに登場した、三鬼は赤、黒、緑は、おどろおどろしい色をしていましたが、お加持を行ってくれる鬼は、手に宝剣と松明を持っているものの、改心したためか、すっかり邪気が抜けて白くなっていて、表情もこころなしか穏やか。
鬼のお加持(かじ)
治療に先立って、不調のある体の部位を伝えておくと、その悪い部分をさすったり、突いたりしてくれます。
改心した鬼
邪気が抜けたとはいっても、強力な鬼の力を持って、人々の治療を行う鬼のお加持。ぜひ体験してみて下さい。

鬼と繋がりのある寺

このように鬼と結びつきの深い廬山寺ですが、鬼と寺を結ぶアイテムがもう一つあります。それが京都の街中の軒先を見ると、貼ってある不思議な護符。
不思議な護符
よく見ると、角を持った鬼の姿と、廬山寺の文字が書かれています。この護符は『角大師の護符』と呼ばれています。疫病神が元三大師に襲い掛かり、大師が自分の小指に疫病神を封印したところ、全身が激痛と高熱に侵されました。そこで鬼の姿に変身して、厄病神に打ち勝ち、鬼の姿を護符に写したのが起源と言われています。また、これを軒先に貼ると、魔除けの効力があると言われています。

節分会が行われる2月3日に限り、元三大師が鬼を退治する際に使用した『独鈷・三鈷』ならびに、大師が宮中で使用したと伝わる『降魔面』が特別開帳されます。
降魔面
独鈷・三鈷

紫式部ゆかりで普段はひっそりとした廬山寺

鬼法楽や角大師の護符など、鬼との結びつきの強い廬山寺ですが、京都御所のすぐ隣ということもあり、皇室とも結びつきがあります。また、源氏物語の執筆者である紫式部にゆかりがあるお寺で、普段はひっそりとしています。
紫式部邸宅跡の看板
一条天皇の妻である、彰子(しょうし)の教育係として仕えていた紫式部の邸宅があったとされ、この地で源氏物語をはじめ、さまざまな書物の執筆を行い、娘の大弐三位賢子(だいにのさんみ けんし)を育てたとされています。

境内には、百人一首に選出されている紫式部と娘の歌碑があり、平安時代の庭園を思わせる白砂の池に、なめらかな曲線の苔の島が浮かぶ枯山水の庭園の『源氏庭』が整備されています。
紫式部と娘の歌碑
源氏庭

スマートポイント

鬼おどりが終わり、舞台を降りた鬼は、2ショットでの記念撮影も可能。子どもが鬼の迫力に怖がり、泣いてしまう定番の様子は微笑ましい限り。

鬼は現在の感覚から言うと、ユーモラスな姿をしていますが、火のついた松明を持ち、踊りながら無言でゆっくり近づいてくる様子は、かえって不気味な感じがします。

源氏庭には、源氏物語に出てくる朝顔(今の桔梗)が植えられています。桔梗の花は夏に見ごろを迎えるので、コケも美しくなるので、夏場の再訪もオススメ。

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ライターのオススメ

廬山寺で行われる鬼法楽は、ただ鬼が出てくるだけではなく、ストーリー仕立てになっているので、行事の一連の流れを理解しておくと、より一層楽しめます。

Writer : けいたろう

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大阪在住のフードアナリスト。足を使って関西中の美味しい食べ物情報を探し出し配信します。お楽しみに!

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