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SMART HEART

天然の洞窟で幻想的なバレエを
緑間玲貴バレエ公演トコイリヤ

踊りとは“祈り“である。という信念のもと、新しい芸術の創作・舞踊活動を続ける沖縄出身のバレエ・アーティスト緑間玲貴。
2011年の秋季大祭日、奈良県にある天河大辨財天社で初のバレエの奉納公演を行うなど、既存の概念を打ち破る神秘的かつ独創的な緑間ワールドは、観る者を魅了し、沖縄県内外にファンを増やしている。
彼が企画・演出・出演する公演「トコイリヤ」が沖縄本島南部の天然の洞窟ガンガラーの谷で開催される。
沖縄の雄大な自然美と究極の身体表現といわれるバレエが融合し、新しい芸術の息吹が生まれている。
踊る

ライター : 島袋景子

2016.06.17

芸術家として自らの足で立つために

芸能の島と呼ばれる沖縄では、琉球舞踊や三線、琉球民謡や空手など、沖縄独自の文化が今なお人々の暮らしの中に根付いているだけでなく、現代演劇やダンスなども盛んで、芸達者に溢れており、唄者・踊り手・役者として舞台に立つ人も多い。
その中でも、異彩を放っているのが沖縄出身のバレエ・アーティスト緑間玲貴だ。幼少期にバレエを始め、東京でプロの世界に飛び込み、数々のバレエ団での経験を経て、現在は沖縄を拠点に独自の活動をしている。
後進の指導を行う中、2015年から始めたアーティストとしての挑戦が自主企画公演トコイリヤだ。一人の芸術家として自分の世界観を確立し、自らの足で立つ。その姿を後進に示したい、という熱い想いが込められている。
その創作姿勢は型に捉われない。バレエという核をしっかりと持ちながらも、琉球舞踊とのコラボレーション、新しいコンテンポラリーの創作など、独自の世界観を切り拓いている。
バレエ

新しい創造の先へ

トコイリヤは2015年5月、東京の座・高円寺で産声を上げた。沖縄と東京を自在に行き来する緑間にとって、初演を東京で行うことは自然の流れだったという。しかし、沖縄の1人のアーティストが東京で自主公演を行うということは異例の試み。にもかかわらず、チケットは完売、7回ものカーテンコールで幕を閉じた。という事実は沖縄だけでなく、日本中のバレエ界を驚かせた。
そして、2016年1月、トコイリヤvol.2として、沖縄での凱旋公演を果たすこととなる。緑間が会場として選んだのは劇場ではなく、自らを育んだ沖縄の大自然の中にある天然の洞窟ガンガラーの谷だった。洞窟の中に特設ステージを組み立てるという新たな試みを無謀だという人もいたという。しかし、沖縄の自然のパワーを力に変え、2日間の公演は大成功をおさめた。
洞窟の中に突如現れたその世界観に観客は驚き、興奮し、涙した。
そして、1月の公演を観た人々からの再演を望む声を受け、トコイリヤvol.3が決定した。
踊り

踊りとは“祈り“である

沖縄は祈りの島だ。島の所々に御獄(うたき)という拝所が置かれ、人々は生活の中で自然と手を合わせる。また、さまざまな歴史を乗り越え、怒りや悲しみを抱えた島でもある。
旧盆に行われるエイサーも念仏踊りが始まりといわれ、祖先の霊を迎え、送るための大切な伝統行事となっている。
緑間玲貴もまた、踊りとは“祈り”である。という。
沖縄戦が終結した日とされる6月23日「慰霊の日」。
平和への祈りが沖縄中に溢れるこの時期にトコイリヤvol.3を開催する。
今回、緑間はどのような“祈り”を表現するのだろうか。
神秘的な踊り

悠久の歴史の中にひと時だけ現れる洞窟の中の別世界

会場となるガンガラーの谷は数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れてできた、豊かな自然が残る亜熱帯の森。約2万年前の港川人の「居住区」としての可能性も高く、今でも発掘調査が続けられている。谷の中には、生命の誕生を願って今でも人々が訪れている「種之子御嶽」もあり、豊かな自然の中に残る、人の息遣いに、古の時代から今まで、人と自然が一つとなり存在していたことを感じさせてくれる。
今回の公演では、ガンガラーの谷の入り口にあるケイブカフェに特設ステージを組み立て、洞窟の景観美を最大限に引き出す。ステージの先に広がる森と夜空。洞窟の中は外の世界とは切り離され、まるで別の小さな世界を作り出す。鍾乳洞の造形美や自然の風の流れや滴の音、星のきらめきが舞台装置となり、唯一無二の世界が作り上げられる。
滝の中

「観る」のではなく「感じる」

自然の中でのステージは、その日、その日で様相を変える。湿度、風、鍾乳洞をつたい落ちる滴。それらの自然条件の前に出演者も毎回、その日の状況を受け入れ、自然と対話しながら呼吸を整え、身体を動かす。それは観る側も同じで、その場所で起きていることに耳を澄まし、風を感じ、洞窟の中で生まれる渦の中に身を委ねる。舞台を観るのではなく、そこで作り出される世界を感じる不思議な体験が待っているだろう。

緑間玲貴バレエ公演「TOKOIRIYA RYOKI to AI vol.3」
日時:2016年6月25日(土)・26日(日) 19時開場
場所:ガンガラーの谷ケイブカフェ

公演の詳細、今後の公演予定は緑間玲貴のオフィシャルホームページにて。

緑間は「TOKOIRIYA」を生涯のプロジェクトとして続けていきたいと考えている。
彼が作り出す「新しい創造の先」をぜひ、一度、味わってほしい。
ステージ

ステージ写真:仲程長治

スマートポイント

  • ガンガラーの谷では1時間ほどのツアーも開催していて、自然だけでなく沖縄の信仰や文化を学び、感じることができます。
  • 会場となるケイブカフェは普段はカフェとして営業しています。真夏でも洞窟の中はひんやりしてて涼しく、見学に立ち寄るだけなら無料です。南部ドライブの途中に立ち寄ってみては?
  • 南城市には世界遺産にも登録された斎場御獄や神の島と呼ばれる久高島などの聖地がたくさんあります。公演と合わせて巡ることで新しい何かを感じることができるかもしれません。

おすすめポイント

沖縄では伝統芸能の組踊や、お芝居、琉球舞踊、お笑いなど、多くの公演が開催されています。土地の文化に直接触れることのできる舞台鑑賞も新しい旅行の楽しみ方です。ぜひ、会場に足を運んでみてください。

島袋景子

ウチナンチュもナイチャーも観光客も、沖縄には“笑顔”が溢れている。そんな“笑顔”に出会える情報をお届けします。

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