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2017.04.17

[宮古島]移住体験ツアー密着
南国ライフの理想と現実

writer : 砂川葉子

沖縄に住んでみたいなあ、この地を訪れた人なら、誰もが心によぎる思い、だと思います。暖かな気候、豊かな自然、青い海、穏やかな島人と触れ合っていると、そんな思いがむくむくと広がっていくのを感じます。
沖縄の景色
だけど、どんなに南の島の暮らしに憧れても、旅行で行くのと暮らすのは、大違いであろうとは誰もがわかること。住まいや仕事、子育て環境、医療福祉、そして沖縄独特の地域性、文化や風習の違いなどなど考えだすと、憧れの沖縄移住ライフへはそう簡単に決断できるものではありません。そんな迷えるあなたの移住・定住へのステップアップ、手助けになるのがこの移住体験ツアーといえるでしょう。受け入れ側として、ツアー作成会議から応募者の選考、来間島地区でのまとめ役として、またモニター参加者の体験先としてかかわったライター砂川が、宮古島移住体験ツアーの詳細をレポートいたします!

まずは、なぜ移住か?なぜ行政が支援するのか?

沖縄県では2025年をピークに人口が減少すると予測されているため、人口の維持および確保のためには、移住者の受入れということに真剣に取り組んでいかねばならないという思いがあります。
平成27年度より県移住定住促進事業として、移住相談会やセミナー、シンポジウムなどか開催されてきました。
おきなわ宮古島市移住体験ツアー旅のしおり
その中で、目玉企画ともいえるのが移住体験ツアーで、これまで渡名喜島等で実施されています。
また、久米島では医療従事者、石垣島では保育士といった具合に、島で不足している職種での体験ツアーも行われてきました。
そして、宮古島市ではまちづくり課を中心に各団体の代表らが募り、会議が行われた結果、島を支える産業でありながら担い手が不足している農業・漁業を仕事にしたい者を募ることとなったのです。
オリエンテーション
現地集合の参加者は、宮古島市役所内でオリエンテーションに参加したのち、いよいよ各地域での移住モニターツアーがスタートです!

島の大地に生きる、そんな夢を描いて

宮古島市では、農業希望者は城辺地区、来間島地区へ、漁業希望者は伊良部島・佐良浜地区へと分かれ、それぞれの地区で民泊というスタイルで2泊3日を過ごす中で、仕事体験をしてもらい、地元住民と交流を通して、島への移住・定住を真剣に考えることになります。
それぞれ、トマト農家、ゴーヤー農家、アロエ農家、サトウキビ農家で朝早くから夕方まで畑仕事に汗を流しました。
畑仕事の様子
ゴーヤーの収穫
アロエ畑
参加者のほとんどが農業の経験はゼロです。
それでも、農業という世界に魅力を感じてこのツアーに応募したのですが、やってみてどうだったのでしょうか?
参加者のお1人は、「農業は想像以上に楽しい、だけどまた想像以上に厳しい」と答えてくださいました。どんなにたわわに実っていたとしても台風がきたら収入はゼロになってしまうのが農業。これまでのサラリーマン生活に比べると不安定さは否めません。これまでとは180度違う世界、農業の理想と現実を目の当たりにしたようです。

島の海に生きる、漁師に感動するも…

伊良部島・佐良浜地区では、漁業希望者4名がアギャー漁を体験、この日は大漁となり佐良浜漁港は歓喜に包まれました。
漁業希望者
アギャー漁とは、佐良浜地区に伝わるグルクンの追い込み漁のことです。もともと釣りが好きで応募したという参加者の一人は、ひたすら待つという釣りとは違って、獲物をまず目に捉え、それを追いかけ、追い込む、という漁にぞくぞくし、漁師としての男としての生き方を見たようだったとお話しくださいました。
アギャー漁
だけど、自分がこの地で漁業を生業とし、独立するころにこのアギャー漁の担い手はいるのだろうか?仕事として成り立つのだろうか?という伝統を受け継ぐという使命と同時に不安も感じたようです。漁業体験者もやはり理想と現実のギャップを見たようです。
漁業体験の様子
漁業も農業を生業にするには多くの課題もあり、移住は決してパラダイスではない、そんな厳しい一面を知ることはただの観光では感じられないことでしょう。

夜の懇親会で深まる絆と移住への思い

農業や漁業の楽しさと厳しさ、その両面を感じたこの日の夜は、さらに交流と親交を深めるために、それぞれの地域で懇親会が行われました。先輩移住者からの体験話や地元の方から習う風習は、移住を考える上でやはりとても参考になります。
懇親会
来間島地区での移住体験ツアーに参加したお二人は、お子様がいらっしゃるとのことで、島の教育環境や医療のことはやはり気になるところのようです。来間島は人口約170人の小さな島、観光客向けのお店は多くあっても、島には商店が1件しかありません。学校も過小規模校で複式学級です。これまでの暮らしとはかけ離れています。
ここは自分が生まれ育った環境ともまるで違う世界です。これが日常となったらどうだろうか?家族はどう思うだろうか?そんな思いが参加者の胸をよぎっているようです。
懇親会の様子
宮古島独特の酒飲みの風習「オトーリ」を経験しながら、島のことをおおいに語り合い、夜は更けていきます。

移住をするか?しないか?参加者の答えは?

最終日は宮古島市役所に全員が集合し、ツアーの振り返りが行われました。今回実施された地区は何処もコミュニティ意識が高く、独自の慣習や文化、言葉に戸惑いを感じたという声が多く聞かれました。ゆえに、沖縄県への移住は、他府県への移住とは違う実情を感じたようです。逆にそこを魅力に感じ、地域愛が強い島人に自分のこれまでの生き方を考えさせられたという声も聴かれました。
ツアーの振り返り
ですが!やはり、この2泊3日での体験が即移住・定住とはならないのが現実。それでも、いつかきっと、そんな思いが芽生えつつあるのかもしれません。
昨年度、名護市での移住体験ツアーへの参加者が3か月後には移住してきたという実例もあり、このツアーで感じた理想と現実、それを踏まえてこそ、移住への一歩につながったのかもしれません。観光、と、移住、その間にあるのが、この移住体験ツアーかもしれませんね。あなたも旅人から移住者へ、チャレンジしてみますか?

スマートポイント

  • 沖縄県では平成27年度より県移住促進事業として相談会やシンポジウムが行われています。移住体験モニターツアーもその一環で県内各地で行われています。
  • 移住体験モニターツアーは、平成27年度は国頭村、久米島、石垣島、宮古島などで実施されています。
  • 沖縄移住希望者に役立つのが「おきなわ移住の輪-結-」https://okinawa-iju.jpです。沖縄県内各市町村からの移住支援情報などが紹介されています。随時更新されるのでマメにチェックを!

ライターのおすすめ

私も移住者とはいえ、基本「嫁」で、砂川家に守られている存在。高い下駄を履かせてもらっているようなものです。なので、この地にひかれて移住を決め、地域に溶け込む方々は本当にすごい!尊敬しています。

砂川葉子

岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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