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2016.08.22

沖縄らしくないのに沖縄らしい
器とオブジェ「bonoho」

writer : 福田展也

佐藤尚理さんの作品
作品
今から20年前に沖縄に移住して彫刻を学び始めた佐藤尚理(さとう・なおみち)さん。沖縄県立芸術大学の学生だったころから十数年、ひたすら彫刻を作り続けてきたそうです。木彫だったり、塑像だったり。作品からは、人の手と素材が対話をするように、ものづくりが行われてきた形跡が感じられます。
佐藤尚理さん
「それまではぼんやりしていた」という陶器への思いが、行動に移ったきっかけはドイツ留学。ミュンヘン芸術大学に研究生として籍を置き、1年ほど写真を学んでいた時に「やりたいことはやってみたほうがいい」と思うようになったのだそうです。

人の手の温もりが感じられる器達

シンプルな円や楕円を用いた作品
佐藤さんが作る陶器
温もりのようなものが宿っている器
オブジェ
佐藤さんが作る陶器には、カチッとした印象がなく、どの器やオブジェからにも人の手によって作られてきた温もりのようなものが宿っているようです。 輪郭も、質感も、色使いも、緩やかで、伸びやか。

熟練した職人が作り出す焼物が持つ魅力とはまた違った味わいがにじみ出ています。細かい点や線、そしてシンプルな円や楕円が、懐かしさを感じさせる色彩とともにハーモニーを奏でているようです。

完成のイメージはあえて描かずに

お皿
エイジングを施した無地の器
使い込んだような質感の器
エイジングを施した無地の器も、何世代にもわたって使い込んだような質感が印象的。

「『これを作るぞ』という完成のイメージが最初にあるのではなく、『こうしたら、ああなるだろう』という仮説をもとに実験するように作っているんです」と佐藤さん。

白い土に化粧土を合わせて作っていくそうですが、色合いや濃さを変えたり、汚してみたりと、あれこれ「実験」をするうちに完成するのだとか。
器の展示
作品が並べられた棚
植木鉢
「ゴールを設定していると、できたものは成功か失敗かのどちらかになりますけど、実験だとできたものは成否から自由になれるじゃないですか。今までの実験の積み重ねだって、その時は形にならなくても、しばらくたって、『これでいこう』と再現することもあるんです」

佐藤さんのものづくりの哲学は「すべての生命に優劣などはなく、それぞれの役割があるだけだ」という考え方に近い気がします。


沖縄の「緩さ」が生み出す独特の世界観

今までのテストピース
のぞかせてもらった工房には今までのテストピース(実験で焼いた陶片)がたくさんありました。それぞれにマジックで顔料の種類が書かれていました。
ほのぼのした空気感や幸せそうな色使いのお皿
見た目から典型的な沖縄らしさを感じることはないけれど、ほのぼのした空気感や幸せそうな色使いからはなんとなく、沖縄に暮らしていることからくる大らかさが感じられます。佐藤さんに沖縄の風土や文化が作風に与えている影響をたずねると、「ある種の緩さ」、いい換えると、力を抜いてもいい部分では脱力するところだという返事が戻ってきました。
実用品ではない立体物やアート的なもの
これからは、もともとの原点だった彫刻にも回帰しながら、実用品ではない立体物やアート的なものも増やしていきたいという佐藤さん。bonohoの器が醸し出すほのぼのした世界観は、やっぱりどこかで沖縄とつながっているようです。

スマートポイント

  • 沖縄県内ではガーブ・ドミンゴモフモナでもbonohoの器を購入できます。
  • bonoho から車で5分ほどの場所にある、be-naturalは沖縄で最も人気のあるレストランの一つです。南城市で取れた食材を上手にアレンジして、価格パフォーマんすの高い、料理に仕上げています。
  • 国道から入り込んだ集落の中にあるので、カーナビを頼りに安全運転を!

ライターのおすすめ

営業日が少ないですが、器が好きな人にはぜひ訪ねてみてほしい場所です。基本的に営業中は作家本人が対応してくれます。

福田展也

目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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