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風と波を操って海上を疾走!
サバニが繰り広げる熱きレース

「サバニ」。古くより琉球列島の海人(うみんちゅ=漁師)に使われて来た小型漁船の名称で、他には無い洗練された独特なメカニズムで知られています。この細く流麗なシルエットと、優れた性能を誇る伝統的な木造帆舟を繰り、40チーム程が、座間味島の古座間味(ふるざまみ)ビーチから沖縄本島までを競う『第16回サバニ帆漕(はんそう)レース』が、去る6月27日(土)・28日(日)に開催されました。ただ残念ながら、28日本レース当日は、(昨年同様)海上の時化によりコースが変更され、座間味村内の無人島を回るレースとなりました。プレレースに前夜祭、本レースや表彰式など、イベントの模様をダイジェストでお届けします。

果たして40余の艇、計500人以上が参加した手に汗握る熱戦の運命や、いかに!
サバニ(古くより琉球列島の海人の小型漁船)

ライター : 小川研

2015.07.28

16回目を迎えた沖縄伝統の小舟による海上レース

サバニは、「エーク」と呼ばれる櫂(かい)と四角い帆で推進します。耐波性の良さと敏捷さに優れ、帆を張れば外洋を高速で航海できるなど海人の叡智が結集された船と言われています。
サバニ(会場レース)
サバニ帆漕レースは、「帆をかけ、漕ぐ」という昔ながらのスタイルから名付けられました。沖縄サミットの2000年に始まり、今年で16回目。座間味島から沖縄本島の那覇泊港へ約35kmの大海原を手漕ぎで横断し、順位を競います。毎年、夏至南風(カーチベー)が吹く、梅雨明けの6月下旬に開催されます。風が吹けば帆を上げ、風が止めばチーム全員で漕ぐ…時に高波に揺さぶられ、時に炎天下にさらされるなど自然のコンディションに左右される過酷なレースです。
サバニ(てーむ全員で漕ぐ)
初日27日は島内でプレレース「マリリンカップ」が開催され、15艇が参加。その表彰式を兼ねた前夜祭では、本レースに向け各チーム士気を高めていました。
サバニ(前夜祭)
サバニ(前夜祭2)

いよいよ大迫力のスタート&白熱の海上バトル

本レース当日の28日朝は、しかし海上の時化(しけ)により、距離も圧倒的に短く、ダイナミックさに欠ける「島内レース」に変更とアナウンス…前日の予報である程度予測はしていたものの、会場全体、一様にため息が盛れました。それでも参加者はすぐに気を取り直し、レースに備えました。
サバニ(島内レースに変更)
何と言ってもスタート前、古座間味ビーチに集結する数多のサバニは圧巻の一言です。今年は、40余の艇、計500人以上がレースに参加。伴走艇も60隻ほど参加しレースを見守りました。座間味島の神人(かみんちゅ)による航海安全の祈願後、関係者、地元の人々、観光客など約1,300人が見守る中、9:40いよいよスタート!各チーム自慢のサバニに向かって一斉に走り出します。スタートの出来が勝負を左右するとも言われる緊張の一瞬です!
サバニ(スタート直前)
島内レースとはいえ、南西の強風というコンディションの中、数ヶ所で風と潮流が逆になったり、激しいうねりが直撃するなど、タフな展開となりました。
サバニ(スタート)
サバニ(スタート)

栄光の1位を勝ち取ったチームは?

スタートからおよそ1時間後。ゴールの座間味港では、多くのギャラリーが固唾を呑んで、遥か海上を見つめています…。そこに、最初に姿を現したのは、昨年3位の実力派、チーム「海想(かいそう)」(写真右手奥)!
サバニ(トップが)
夏至南風を、ド派手な黄色のセイルいっぱいに受けて、ゴールイン! 2位の「ざまみ丸」(昨年王者)とおよそ2分半差の1:07:15という、ブッチぎりのタイムで優勝を勝ち取りました。

ところで、熱かったのは2位争い。ゴール少し前で繰り広げられた、ざまみ丸と、前日「マリリンカップ」で優勝した「女海想(おんなかいそう)」のデッドヒートは、眼を見張るものがありました。
サバニ(2位争い)
そして、スタートからおよそ2時間半程の間に、次々と他チームもゴールイン!

但し、風波が強かったため40艇中6艇がリタイヤ、34艇が完走という結果となりました。
サバニ

サバニの伝統と技術をレースという形で継承

レース後、参加者・関係者は那覇へ。18:00〜とまりん前広場にて表彰式&アフターパーティが行われ、各々激闘を終え、ライバルチームと共にビールで、互いに健闘を讃え合いました。
サバニ(健闘をたたえあう)
ところで、当レースは先人たちが築いたサバニの伝統と技術を、レースという形で継承、現代に蘇らせたもので、実際このイベントをきっかけに、「帆かけサバニ」は広く世に知られる事となりました。また、次世代の子どもたちや若者に、沖縄の貴重な海洋文化に触れ、体験してもらうことも目的としている、意義のある試みです。

2014年、国立公園に認定されるなど、世界的に知られる美しき慶良間諸島。ウミガメも愛するこのコバルトブルーの海を疾走する、40挺ものサバニの雄壮な佇まいは、一見の価値ありです。来年はぜひご自身の目で、伝統に根付く熱い想いと、海を愛する男&女たちの激闘を、間近でご覧くださいね!
激闘するサバニ

スマートポイント

  • 朝9時スタートですので、観戦ご希望の方は、会場の座間味島には前日入りで要宿泊です。また有料で伴走船に乗せてくれるチームもあるので、運営委員会にお問い合わせを。
  • 近年レース人気が高まり参加チームも増加し、座間味島往復の船や宿など、開催1ヶ月前には予約満杯の可能性があります。観戦をご検討される場合、開催2ヶ月程度以上前には、アクセスと宿の予約がオススメです。
  • 前日や当日は、商店のお弁当などがアっという間に売り切れますので、ご注意を。対策としては、前夜祭の出店でちょっとしたお弁当などを購入し、宿の冷蔵庫で保存するのがベターです。

おすすめポイント

白熱のレースに目が行きがちですが、サバニの魅力は、やっぱり美しいその見た目。滑らかな流線にシャープな輪郭。帆とボディによる均整の取れた三角形のバランス。誰が言ったか、“海のスーパーカー”も納得!

小川研

世界を歩きまくって醸成されたオンリーワンのフィルターを媒介し、沖縄情報を立体的に熱(苦し)く伝える。

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