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グルメグルメ

2017.11.08

ジーマミ豆腐が天下一品
やんばるでのランチは紀乃川で

writer : 福田展也

やんばると呼ばれる沖縄本島北部の玄関口、許田インターチェンジから美ら海水族館に向かって車を走らせることおよそ35分。海を見下ろす斜面に家々が肩を寄せ合うように集まっている小さな集落に、県内・県外、そして海外からも大勢のお客さんがランチの時間に集まってくる小さな食堂がある。昔ながらの市場が集中する那覇市の市場通り付近で地元客に親しまれること30年、そして、ここ本部町に移ってきて12年を迎えた老舗の食堂『紀乃川』だ。

わかりにくい場所にあるのにいつも混雑の人気店

紀ノ川入口
雨が降りしきる平日の、それも午後3時にもかかわらず、駐車場はいっぱいだ。外で順番を待つ人の姿さえある。店内に入ると、できたての料理を味わう家族連れで満席だった。地元のお客さんを相手にしてきたお店だけに、ボリュームと値段のバランスが抜群で、しかも家庭の味を楽しめるとあって、順番を待つのも気にならない。
忙しい厨房
この日お願いしたのは、一度食べたらやみつきになると評判の「自家製ジーマミ豆腐」(300円)、創業以来の定番メニュー「じゃがいもチャンプルー定食」(700円)と「ひらやーちー」(500円)、そして、「あぐーロースカツ定食」(1,950円)の4品だ。すべての定食に味噌汁、もずく酢、そして沖縄名物の甘酢漬けの大根がつくので財布にもお腹にも優しい。本部町内の漁港に水揚げされる近海ものの魚料理も評判で、タマン(ハマフエフキ)、シチューマチ(アオダイ)といった沖縄を代表する高級魚を手ごろな価格で楽しめる。

ジーマミ豆腐からアグーまで、沖縄の味をしっかり堪能

ジーマミ豆腐
「ジーマミ豆腐」(ジーマーミ豆腐)は沖縄料理店でおなじみのピーナッツ豆腐。料理が得意だった三女の涼子さんのレシピをもとに、店主の玉城栄子さんが完成させたもので、サイドメニューながら紀乃川の顔的存在になっている。滑らかさとハリのある食感、そして、香り豊かな風味が常連客に評判だ。
じゃがいもチャンプルー
「じゃがいもチャンプルー定食」は、カリッと素揚げしたジャガイモがメイン素材の炒め物。キャベツ、ニンジン、ニラ、タマネギとの相性がよく、女性のお客さんにも人気の一品。
沖縄のお好み焼き
「ひらやーちー」は沖縄版のお好み焼き。具材はニンジンとニラだけというシンプルさながら、カツオだしが効いたしっかり味。自家製ブレンドのソースをからめて食べると箸が止まらなくなる。
あぐーロースカツ定食
「あぐーロースカツ定食」は、観光客に人気のメニュー。地元では名の知れた我那覇畜産の“あぐー”を使用。アグーならではの甘い脂味と肉の旨味。食べ応えのあるロース肉がカリっと揚がった衣にマッチして、沖縄の人気食材のおいしさをあますことなく味わえる。

遠くにあっても、また行きたくなるお店

紀ノ川店員さん
厨房でもっぱら鍋を振るのは栄子さんだ。園児の頃から、親の代りに料理をしていたといたという大ベテランで、お店を現在の場所に移してからも元気にお店を切り盛りしている。今年で、72歳になるが、持ち前の前向きな気持ちと明るい笑顔で、県内外にいる常連客を魅了し続けている。那覇にお店があった頃、定期試験が終わる度に友達を連れてやってきていた高校生が、今では子どもを連れて食べに来てくれるなど、古くからの贔屓客もしばしば訪ねてきてくれるという。
紀ノ川店内
「お客さんとは親戚のように接してます。お金よりも人とのつながりが、自分にとっては財産だから」と、うれしそうに話す栄子さんを支えているのは息子の康史さんと、お嫁さんの早苗さん。「商売人の家に生まれたから仕方がないですけど、小さな頃からお店の手伝いをやらされていたので、この店を継ごうとは思っていなかったんですよ」と康史さんは振り返る。それでも、父親の良則さんが体調を崩して引退してからは、母親一人にお店を任せるわけにはいかないと、それまで勤めていた飲食店を辞め、一緒に働くことに決めたそうだ。

そのように、家族の絆に支えられて古いお客さんにも愛され続けている紀乃川では、地元の食材を昔ながらの家庭の味で楽しめる。そして、遠くにあってもまた足を運びたくなる第二の故郷のようなお店。やんばるへお出かけの際はぜひ訪ねてみてほしい。

スマートポイント

  • 日本一開花が早い沖縄の緋寒桜の名所、本部町の八重岳まで車で30分前後。運が良ければ12月にはちらほらと、1月からはそれなりに、2月に最盛を迎える「南国の桜」を楽しんでみてください。桜の季節以外にも亜熱帯の森の魅力を楽しめます。
  • 同じく本部町内の「美ら海水族館」からは、車でおよそ20分。午前中にまだ比較的混雑してない水族館を堪能して、遅めのランチを紀乃川でいただくのはいかがでしょう。
  • 紀乃川から「瀬底島」 まで車で6~7分。真っ白なビーチと、鮮やかなブルーのグラデショーンを十分楽しめます。

ライターのおすすめ

ぜひ食べてほしいのは「ジーマミ豆腐」。テイクアウトもできます。お店を入ってすぐの壁には、紀乃川のジーマミ豆腐の誕生の秘話が書かれた新聞記事が貼ってあります。愛する娘さんとのエピソードは必読です。

福田展也

目下の趣味はサーフィン・沖縄伝統空手・養蜂。心で触れて身体で書けるようになることが10年後の目標。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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