* * menu
閉じる

グルメグルメ

2019.12.02

[池間島]サメパワーで島興し
池間食堂が人も島も元気にする

writer : 砂川葉子

沖縄・宮古島から橋でつながる池間島へサメパワーで元気をチャージしに行こう!
宮古島から橋でつながる池間島へ
池間漁業協同組合(以下池間漁協)が直営する池間食堂のサメフライにサメそばは、ここでしか食べられません。カマボコやハンペンに加工されることがほとんどのサメを、池間島の池間民族の知恵と技と情熱から、サメフライ、サメそば、という池間島の名物料理が生まれた。かつてはカツオ漁で栄えた海洋民族の島は、今また漁業の力をもって、盛り上がりを見せている。それは、サメハンターと称されるある一人の海人(うみんちゅ)のサメとの戦いに賭けた人生から、池間島の島興しへの物語が始まる。

池間島の漁師・前泊清繁、またの名をサメハンター

前泊清繁さん(72歳)またの名をサメハンター
前泊清繁さん(72歳)またの名をサメハンター。漁師歴は12年。なんと60歳で漁師への転身だ。それまでは沖縄本島で社長さんだった清繁さんは、大好きな海と共に第二の人生を過ごそうと生まれ故郷である池間島に帰ってきた。清繁さんは、20代のころにカツオ漁を経験していたことがあり、「1番手っ取り早いし、これなら定年がなく生涯現役でいられる」と考え、漁師に転身する。漁師になって2年目、サメ駆除の関わったことが転機となる。人食いザメとも称されるイタチザメを駆除した時、サメのその大きさ、強さ、不気味さに魅了され「これだ、これを相手に漁師をやっていく」と誓った。2人で行けばやすやすと捕れるのを、あえて清繁さんは一人で海に出て、1対1でサメとの勝負に挑むことにこだわり続けた。そして、ただひたすら、サメの被害を抑えられればと駆除のため、サメを捕獲してきた。

サメ被害を乗り越え、生まれたサメフライ

サメは池間島にとっては身近な生き物の一つ。サバニの防水のためにサメの油を塗ったり、家庭では刺し身や味噌炒めなどにして食されてきた。
池間島伝統の石巻き落とし漁
だが、池間島伝統の石巻き落とし漁では、サメに魚を食いちぎられるという被害も後をたたず、漁師は悩まされながらも、サメと共存してきた。しかしながら、サメは生命力も繁殖力も非常に強く被害は拡大していく中、本格的なサメ駆除が始まった。少しでもサメの被害をなくすため、人助けになるならと、清繁さんは大新丸で海に出て、サメを捕り続けた。ある時、これを何とか加工・保存して島の名物にできないものかと、池間島の女性達が池間漁協と共に試行錯誤し、生まれたのがサメフライとサメそばなのだ。

池間食堂名物!サメフライにサメそば

まずは、池間島食堂の名物料理サメフライ。
池間島食堂の名物料理サメフライ(700円
でかい!しかもどどーんと4枚も。メジャーを取り出し測ってみたら長さ17cm、厚みも1cm以上。とんかつソースをつけていただけば、しっかりとした弾力のある白身は意外と淡泊な味。小鉢には、池間島産のもずく酢と、日替わりでカツオの照り焼き。
サメそば(500円)
香ばしい香りとともに運ばれてきたサメそば。宮古そばの上には、三枚肉の代わりに、こんがりと焼き目がつくまでソテーされたサメ肉がどーん。白ネギが香ばしく、黒コショウが効いたスープもおいしい。サメフライ定食と同様に小鉢も二皿。サメは骨がないので食べやすくもあるが、アンモニア臭がするという扱いの難しい食材。これをいかに上手に下処理をするかは、サメとともに生きてきた池間島の池間民族、池間漁協だからできる知恵と技なのです。

池間食堂おすすめ、今が旬!ダイバンカツオ

「ダイバン」とは、宮古島の言葉で「大きい」という意味で、10kg以上のカツオは「ダイバンカツオ」といわれ、6月~10月ごろまでが旬を迎える。
カツオがたっぷりと乗ったカツオ丼(700円)
脂がのったカツオがたっぷりと乗ったカツオ丼。新鮮で脂がのったカツオの刺し身は、デカいくて、ぶ厚い。海ぶどうも山盛りで、この豪快さが漁師の料理。カツオのおかかステーキは、大ぶりのカツオの切り身を醤油味で香ばしく焼いてあり、こちらもボリューム満点、今だけのひと皿です。他にも、魚汁定食(800円)、白身魚のネギ煮定食(1000円)、刺身定食はバター焼きと塩焼きもついて1500円と、池間食堂には海の幸が溢れています。

池間島でサメパワーが巻き起こす島興し

池間漁協が直営の池間食堂。
池間漁協が直営の池間食堂
島の漁師達が運営する食堂だ。目の前にある漁港から水揚げされたばかりのものが、食材として提供されるのがおいしさの秘訣。天候状態によっては、残念ながら食べられない時もある。「こんなに小さな島だけど、池間島にしかないものがあるわけ。世界中どこを探しても、サメフライを食べられるのはここだけさあ」池間漁協の仲間毅組合長が、力強くいった。「生命力が強いサメを食べることが元気の源になるかねと思うわけよ」この言葉に、思わずうなずいてしまった。現に、サメハンターの清繁さんも、仲間会長も池間食堂のスタッフの方も高齢ながらも元気いっぱいで笑顔が絶えない。サメパワーが池間島の人も、観光客も元気にし、島を盛り上げている。

※こちらは、公開日が2015年9月10日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 池間食堂へのアクセスは、池間大橋を渡り直進、池間小中学校を過ぎ最初の信号のある四つ角を左折した右側になります。左手には池間漁港。漁師町の雰囲気が溢れています。
  • 海の幸尽くしの池間食堂ですが、宮古そば(500円)や野菜炒め定食(600円)などもあり、お魚が苦手な人も大丈夫ですよ。また、水着のまま、濡れたままでの食事できる外席もあります。
  • 池間島も北には、日本最大級のサンゴ礁群「八重干瀬(やびじ)」が広がっており、豊かな海の恵みが溢れる島で、ダイビング・シュノーケルスポットでもあります。

ライターのおすすめ

池間島は、今もなお漁師の血、民族意識が強く、自分たちのアイデンティティを可視化したのがサメフライなのでは?と思っています。サメフライを食べることで池間島が活気づく、そんな嬉しい作用があるのです。

砂川葉子

岐阜県出身、宮古島諸島のどこかの小さな島に在住。農業と民宿業、島興し業と並行してライター業にも携わる。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

JALで行く!国内ツアーは格安旅行のJ-TRIP

  • Facebookロゴ
  • Twitterロゴ
  • LINEロゴ
  • Pinterestロゴ
  • リンクをコピーする
  • この記事をシェアする
  • Facebookロゴ
  • Twitterロゴ
  • LINEロゴ
  • Pinterestロゴ
  • リンクをコピーする

沖縄観光モデルコース

記事検索

ツアー検索