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伝統の踊りが現代に甦る
平敷屋エイサーの夕べ

writer : 岡田竜平

2017.06.21

エイサーを踊る人たち
うるま市の勝連半島は、世界遺産にも登録されている勝連城址もある歴史ある地域です。この勝連城址からほど近い、半島の先端に位置する平敷屋(ヘシキヤ)は、人口3800人の小さな集落です。毎年旧盆の時期になると、沖縄の伝統芸能のひとつであるエイサーの原型ともいわれる平敷屋エイサーをひと目見ようと、県内外から多くの人々が訪れます。ここのエイサーは、大手飲料メーカーの「日本の祭り」の一つに数えられ、この伝統芸能をじっくりと楽しめるイベントが平敷屋青年エイサーの夕べです。
エイサーの夕べ

長い年月を越え今に伝わるエイサーの原型

旧盆だけでなく、今では一年を通してイベントなどで披露されるエイサーは、江戸時代初期に袋中上人が日本本土から沖縄へ伝えた念仏踊りが起源だとされています。沖縄市など他地域のエイサーが派手で動きの速い踊りであるのに対して、平敷屋のそれは一見すると地味ですが、これが原型に近いのではないかといわれています。
青年
使用される太鼓も、パーランクーと呼ばれるタンバリンに似た形の小太鼓だけで、これを鳴らす太鼓持ちの格好も、僧侶の袈裟に似ており、また踊り手も含め全員素足であることからも念仏踊りを彷彿とさせます。
念仏踊り
この伝統芸能を継承している平敷屋青年会は、袋中上人の出身地である福島県いわき市で演舞を披露したり、上人が創建した京都の檀王法林寺で奉納演舞を行っています。

青年の青年による祭り

エイサーを行う平敷屋青年会は、旧盆中はもちろん地元集落を演舞して回りますが、旧盆明けの旧暦7月16日に、うるま市の平敷屋漁港に隣接する浦ヶ浜公園で平敷屋青年エイサーの夕べを主催及び運営します。
エイサーの踊り手
青年会は、東西二つに分けられ、踊り手は西45名、東48名おり、それぞれ前分(メーワチ)、太鼓、男女の踊り手で構成されます。白塗りメイクの前分は、酒甕を担いで文字どおり先頭を進んで行きます。
男女のペア
太鼓は4名1組で構成され、このうちの一人でも欠けると、他3名も本番に出られなくなり、補欠組に取って代わられるという厳しいものです。男女もペアで一対を成します。
ナカワチ
加えて本番の演舞には出られない、白塗りメイクの中分(ナカワチ)と呼ばれる補欠組が給水などのサポート役を務めます。

平敷屋独自のスタイル

平敷屋青年エイサーの夕べでは、東西それぞれで全9曲の演舞を披露し、そのうち2曲は毎年新たに選曲を行い、振り付けも考案します。三線を担当する地謡も、ライブコンサートのように音楽だけでも楽しめる演奏なので、民謡ファンにはうれしいポイントです。
ライブコンサート
一見すると東西それぞれ似通っているように思われますが、大小様々な違いがあります。大きくは、東の踊りは男性的で、一方西の踊りは、柔らかく女性的だとされています。太鼓の位置もそれぞれで異なり、このような違いを見つけることも楽しみ方の一つです。
独自の隊列
またこの広い運動場で行われるこの祭りでしか見られないのが、平敷屋エイサー独特の隊列の変化です。ゆっくりとしたテンポで、入場門を中心にして左右対称に展開していく様は圧巻です。

補欠組も力強い余興披露

余興
補欠組の中分も、まったく出場できないわけではなく、東西の演舞の間に披露される余興に登場します。余興プログラムで毎年必ず演じられるのが、松明の舞です。実際に火を灯した松明を使っての演舞は、迫力があり、この祭りの見逃せないポイントです。そして、毎年新しい内容の余興も演じられますが、それもまた青年でないとできないような体力勝負の体を張った演舞になり、見所のひとつです
前分も中分も白塗りで、他地域のエイサーに登場するチョンダラーとよく混同されますが、これとはまったく異なるものです。チョンダラーは、道化役で場を盛り上げる沖縄の芸能の一種であり、平敷屋エイサーには存在しません。白塗りメイクも、実は前分・中分を真似てチョンダラーで使われるようになったといわれています。

屋台や打ち上げ花火も

エイサーの夕べでは、屋台も出店し、ビールや泡盛、お好み焼きや焼きそばなどが販売されます。すべての演舞が終了した後には、花火も漁港側から打ち上げられます。祭りのすべてが青年会による運営なのですが、花火だけは青年たちへのねぎらいを込めて平敷屋区が提供しています。
屋台と人々
うるま市平敷屋へのアクセスは、勝連城址や津堅島への定期船が出ている平敷屋港を目指して行くと良いでしょう。那覇方面からは、国道330号を北上し、イオンモールライカムの交差点を右折し、県道85号を沖縄市泡瀬方面へ。泡瀬交差点を左折し、海沿いに北上して勝連城址を目指します。

スマートポイント

  • 海側から昇る十六夜月も見ものです。
  • グラウンドに座って観覧することになるので、レジャーシートは必須です。
  • 演舞を近くで見るためには、開場時間に合わせて会場入りし、場所を確保する方が良いでしょう。

ライターのおすすめ

平敷屋エイサーは、旧盆中はうるま市平敷屋区内で、そして他のイベント等でも見られますが、その年の全演目とダイナミックな隊列の変化を見られるのは、一年の内でこの祭りの日のみです。

岡田竜平

映像制作、翻訳業をしながら沖縄各地を探索中。フォトグラファーとしても活動。

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