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観光観光

札幌市時計台の澄んだ鐘の音に
強き開拓精神を想う

writer : 金子 美里

2015.12.18

札幌市時計台
明治に誕生した2階建ての木造建築・札幌市時計台。
今は長身のオフィスビルに挟まれて、華奢に見えてしまうかもしれません。しかし、館内でその歴史や時計機械の構造などを知れば時計台が北海道や札幌の開拓と共に力強く歩んできたことがわかります。
もう「日本三大がっかり名所」なんて言わせない!130年以上も静かに、そしてたくましく時を刻んできた時計台の真の魅力を知ってください。

近代北海道の始まりを告げた時計台の鐘

入り口の上や2階ホールの正面に掲げられた「演武場」の文字。
演武場
1878年、現在地より少し北に建てられた札幌市時計台は北海道大学の前身・札幌農学校の施設として誕生しました。
初代教頭のクラーク博士が提言し、2代ホイーラー教頭によって完成された建物で、当初は体育の授業や卒入学などの式典などが行われていました。それまで日本にはなかった、海外の新しい技術や思想を教え新渡戸稲造など後に歴史に名を残す多数の精鋭を輩出してきた札幌農学校。今も1時間ごとに鳴らされる、優しく澄んだ時計台の鐘の音は北海道だけでなく日本の近代の始まりを告げる音でもあったのです。
建設当時の様子
館内1階に展示されている建設当時の札幌の様子。
周囲に建物は少なく、時報の鐘の音はおよそ4㎞先にまで響き渡ったと記録されています。

ぴょこんと飛び出た時計塔の誕生秘話

建物が立った当初、実はシンボルともいえる時計塔はありませんでした。
大きな時計を設置することになったのは、演武場の完成を見た開拓長官・黒田清隆の発案でした。それを受けて、ホイーラー教頭がアメリカ・ハワード時計商会に時計機械を発注。ところが、届いた機械は予想を超える大きさだったのです。苦心の末、時計塔を作り直し、1881年からあの大きな時計が札幌市民に正確な時間を知らせるようになりました。
資料
誰もが知る観光名所にこんなトリビアがあったとは!?館内展示には、ほかにもさまざまな「へぇ~」が隠れています。

伝え継がれる時計守の仕事

創建から130年を超えてなお、札幌市時計台は正しい時間を刻み続けています。ハワード社の塔時計が、当初の姿のままこれほどの長期間現役で動き続けているという例は、世界的にも稀なこと。
これも、高度な技術によるゆがみのない建物の構造と、時計守たちが細やかに機械のメンテナンスを行っている賜物です。
ホールにもなっている2階には、塔に設置されたものと同じ兄弟時計が展示され機械の仕組みも近くで見られるようになっています。
毎朝開館直後の午前9時15分からは、その兄弟時計を使って構造を説明し動力となる重りの巻き上げを実演。
見学
見学の人
ハンドルを取り付けて一日分を力強く巻き上げます。ぐるぐると回すと、重りが徐々に上昇。そのさまに、観客から感動の声が上がります。

ベストポジションから素敵な記念写真を

“館内で、札幌市時計台の魅力に十分触れた後は、ぜひ、ベストアングルで記念撮影を。
建物南側の西角から見上げると、塔時計全体が収まる美しいカットで撮れます。
撮影台
人物も映しこみたいなら、設置された撮影台を活用してみて。観光名所のため、建物周辺はいつも人がいっぱい。
煩わされずに全景を撮りたい人は、道路をはさんで西向かい側にあるビルの2階テラスが絶好の撮影場所になっています。
撮影台
時計台
撮影テラスからのショット

時計台の思い出をゆるキャラと共に持ち帰ろう

お土産でも時計台の思い出を持ち帰りたいという人には館内1階のショップがオススメ。
キーホルダーやハンカチなど小物から、ミニチュアキット、関連書籍までこぢんまりとしたスペースに豊富な関連グッズが取り揃えられています。
ショップ
時計台のキャラクター「とっけ」や「時計大臣」のグッズは愛嬌いっぱいで人気があります。レアグッズも少なくないので個性的なお土産を手に入れたいなら立ち寄るべき。
時計大臣
まるみのあるかわいい「とっけ」と、ちょっとシュールな「時計大臣」。バター飴が入っている「とっけあめ巾着」(378円)、時計大臣や時計台がデザインされたファイル(各335円)が売れ筋です。

2階ホールでは音楽会が行われることもしばしば。木造の建物に楽器の音色や歌声が温かに響き、聞く人を優しい気持ちにさせてくれます。

単に建物を眺めただけで終わるのなんてもったいない!
札幌市時計台の魅力を、さまざまな角度からぜひ味わい尽くして。

スマートポイント

  • 時間が許すなら館内へ入ってみよう。意外と知られていない時計台の秘密を知ることができます。
  • 毎朝午前9時15分から、2階の兄弟時計の前で大時計の仕組みや建物の説明が行われます。約20分の解説で時計機械の仕組みやメンテナンスなどについて知ることができる一日一度の貴重なチャンスです。
  • レアグッズも扱うショップは一見の価値あり。店員さんに売れ筋やオリジナル商品などについてたずねてみて。

ライターのおすすめ

毎正時、時間の数だけ(5時なら5回)鳴る鐘の音は趣深くて、たくさんの人に聞いていただきたいです。澄んだ優しい音には時計台の歴史が深く染み込んでいる気がします。

金子 美里

フリーランスライター。地元情報誌の編集として勤めたのち独立。現在は観光情報誌や旅行雑誌などに執筆。

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