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観光観光

2017.04.20

開拓時代の暮らしを探れ!
琴似屯田兵村兵屋跡と琴似神社

writer : タカハシアキコ

「屯田兵」という言葉をご存じでしょうか? 屯田兵は、明治初期に作られた制度で、北海道開拓と北方の警備を目的に入植し、土地を切り開いて北海道のまちづくりの基盤を築きました。その数は約7千、家族を合わせて4万人といわれています。最初の入植地は、札幌中心部から少し西にあるベッドタウン、琴似(ことに)。いまでも、ここでは屯田兵にちなんだ史跡や施設が大切に守られています。
琴似屯田兵村兵屋跡
琴似屯田兵村兵屋跡(ことにとんでんへいそんへいおくあと)は、当時に造られた村とまったく同じ場所に改築、復元された屯田兵の住居で、当時の暮らしを垣間見ることができます。地下鉄を出た繁華街から一歩入ると、そこはまるでタイムトリップしたような静けさが。北海道の開拓に身を捧げた屯田兵や、その家族たちの日常にふれてみませんか?

琴似の繁華街に、いきなりレトロな歴史的建造物が!

札幌中心部の地下鉄大通駅から、東西線の宮の沢駅行きに乗って約10分。琴似駅を降りた地上には、ビルが立ち並ぶ繁華街が現れます。駅前の交差点から北洋銀行を右手に歩いて、一つ目の角を右へ曲がりましょう。すると、一角に「あれっ?」と思うような、ひなびた空間が現れます。
琴似屯田兵村兵屋跡 外観
兵屋
ここが、歴史的建造物の琴似屯田兵村兵屋跡です。1874(明治7)年、初めて屯田兵の村を造るために208軒の住居(兵屋)が建てられた、北海道民にとって記念すべき地でもあります。
畑
兵屋の後ろには、一軒に割り当てられた耕地も再現されています。この畑はかなり交通量の多い道路沿いにあって、向かいには3階建てのイオンが。現代と近代が交じり合う、ちょっと不思議な空間です。

畑も耕した、屯田兵の暮らしをリアルに再現

琴似屯田兵村兵屋跡は見学自由、無料です。なかはちょっと薄暗いですが、木戸をくぐって入ってみましょう。板の間には、記念スタンプや解説が書かれたリーフレットもあるので手に取ってみて。
内観
様々な道具
土間には、実際に使用されていた農機具などがたくさん展示されています。運搬や農耕のために使っていた馬の鞍(くら)、馬鍬(うまぐわ)、木を伐採するのこぎりに丸太の皮むき、笹を刈るための鎌(かま)……。入植した屯田兵には、開拓使庁から家屋や自給自足のための耕作地のほか、このような家具や農具も支給されました。開拓時の歴史や屯田兵の一日といった展示を読むと、当時の奥さんや子どもたちの生活まで分かりますよ。
当時の資料
板の間
土間を上がると煮炊きや食事をするための板の間、さらに上にはたたみの寝室など二部屋があります。年季の入った織り機や、銃を立てかけておくための銃架なども要チェック! 丸太を斧(おの)でうすく割って作る屋根の柾(まさ)の解説にも、当時の苦労がしのばれます。

本州から入植した人たちの心の支え、琴似神社

琴似には、屯田兵たちの心のよりどころとなった場所があります。それが、琴似屯田兵村兵屋跡から歩いて5分ほどの場所にある、琴似神社です。最初の移住で約半数を占めた、仙台藩亘理伊達(わたりだて)の人々が、旧藩祖の伊達成実を祭ったもので、現在も春と秋には例大祭が催され、神社前の通りはたくさんの屋台と人でにぎわいます。
神社
琴似神社の境内にも、同じく1874(明治7)年築の歴史的建造物、「琴似屯田兵屋」が移築されているので、ぜひ見学してみましょう。本殿の右奥に入口があるので、見落とさないようにしてくださいね。こちらにも、農機具など興味深い展示物があります。
琴似屯田兵屋
当時の琴似

自給自足をしながら北海道を開拓! 西南戦争出兵も

境内には、かつてこの場所が、絹糸を取るために屯田兵たちが育てていたカイコの授産場(養蚕室)だったことを示す石碑や、琴似屯田兵や第二次大戦で命を落とした兵士などを祭った報徳神社など、屯田兵ゆかりの史跡が多く見られます。
石碑
土鈴
琴似神社ではお守りやおみくじのほかに、開拓使の姿をしたユニークな土鈴(どれい)もあります(初穂料1,000円)。この土鈴はどことなくキュートですが、軍事鍛錬に農作業の日々を送っていた琴似の屯田兵たち、実は西郷隆盛が起こした西南戦争でも、はるか九州へ赴いて戦っているんですよ。

たくましく生き抜いた明治の屯田兵に思いをはせて

さて、たくさんの古木に囲まれたこの琴似神社、パワースポットとして各地から訪れる人もいるのだとか。町なかにあってここは清々しい空気が流れている、と話す地元の人たちもたくさんいます。
鳥居
一時期、「子宝犬」として有名になっていたのが、琴似神社の雪男(ゆきお)くん。雪男くんに触った女性が赤ちゃんを授かったというエピソードから、テレビや新聞でも話題になりましたが、いまは高齢で体も弱り、静かな引退生活を送っています。
雪男くん
神社を一歩出ると、そこはビルが立ち並び車が行き交う町のなか。屯田兵が築いたこの町と神社は、140年の時を経ても地元の人たちに愛され続けています。琴似を振り出しに、道内37の兵村で汗水たらしながら北海道の土地を切り開いていった屯田兵たち。庶民的なにぎわいを見せる琴似の通りを歩きながら、そんなことにも思いをはせてみてはいかがでしょうか。

スマートポイント

  • 琴似のメインストリートは、JR琴似駅から地下鉄琴似駅を南北に結ぶ琴似栄町通り。JR札幌駅から琴似駅は二つ目なので、JR駅からぶらりと歩いてみるのもいいかも。おいしい飲み屋さんもいっぱいあります。
  • 琴似はラーメンなどB級グルメの激戦区。スープカレーの「らっきょ」1号店や、琴似神社隣には「札幌カリーぱお」もあります。お目当てのランチと合わせて散策してみるのも楽しいですよ。
  • 地下鉄琴似駅から徒歩2分の場所にある共栄市場は、北海道の鮮魚や青果、おそうざいなどが並ぶ、まさに庶民の台所。地元の人になった気分で、なかをのぞいてみてはいかが。春には山菜も並びます。

ライターのおすすめ

琴似神社向かいのビル2階には、琴似屯田歴史館資料室があります。貴重な資料や解説の展示があるので、より深く知りたい人におすすめ。月曜日、水曜日、金曜日の週3日、午前10時から午後4時までのオープンです。

タカハシアキコ

北海道移住歴20年。亜熱帯の血を持つ寒がりライター。お手ごろで魅力的なモノやスポットを発掘すべく歩き回っています。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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