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グルメグルメ

2017.07.15

趣ある建物や庭園が歴史を語る
老舗名店、竹老園 東家総本店

writer : 石渡裕美

春採湖のほとり、歴史を感じさせる建物と手入れの行き届いた庭園を持つ老舗蕎麦店、竹老園。北海道や釧路の蕎麦文化を語るうえで、この店を欠かすことはできません。
竹老園外観
新蕎麦をイメージした薄緑の蕎麦はツルリとして喉ごしがよく、名物「かしわぬき」や数々の創作そばも、釧路市民で知らない人はいないほど愛されています。昼食をさっと楽しみたい人、お座敷でゆっくり時間をかけてコースを堪能したい人、どちらにもオススメの名店です!
名物「かしわぬき」と数々の創作そば

創業140年余り、蕎麦づくりへの情熱に思いを馳せる!

JR釧路駅から車で約10分、釧路川をわたり、春採湖近くの静かな住宅街にある竹老園。1874(明治7)年に小樽で「夜啼きそば やまなか」として創業し、釧路に移ったのはその5年後。この建物はもともと1927(昭和2)年に二代目店主伊藤竹次郎氏が隠居のために建てたお屋敷でした。が、三代目の徳治氏に経営を任せて隠居はしたものの、竹次郎氏は蕎麦打ちへの思いを断ちがたく、ここで再びお店をはじめたと言いますから、どれほど情熱にあふれた人であったかがしのばれますね。
伊藤竹次郎氏が隠居のために建てたお屋敷
店の正式な名前は「竹老園 東家総本店」で、全道各地に数えきれないほどある「東家」という名の蕎麦店の大元になった由緒ある存在なのです。
石碑

趣あふれるお座敷で味わう「伝統ある創作蕎麦」

店のなかは、普段づかいにも便利な「ホール」と「お座敷」に分かれています。ホールも老舗らしく落ち着きある雰囲気ですが、ここはやはりお座敷へ。ピカピカに磨き込まれた廊下や時代を感じさせるガラスに風格が漂います。
ピカピカに磨き込まれた廊下
お座敷
どれを頼もうか迷ったら、竹老園の名物が一度に味わえる竹老園特製品コース(2,780円)をぜひ。「お蕎麦屋さんでコース?」と思われる方もいるかもしれませんね。二代目店主の徳治氏は創意工夫の人で、いまも愛される創作蕎麦を考案し、1950(昭和25)年頃にはこのコースを世に出していたというから驚きです。出来立てを味わってほしいからと、コースは1品ずつ提供され、まずは「かしわぬき」からスタート!
かしわぬき
かしわそばから蕎麦を抜いたもの
「え? かしわぬきって何?」だなんて思うなかれ。「かしわ(=鶏肉)そばから、かしわを抜いたもの」ではなくて、正体は「かしわそばから蕎麦を抜いたもの」。親鶏ならではのしっかりした噛み応えの鶏肉と、そのだしがたっぷり溶け込んだ味わい深い汁に身も心も温まります。

昭和天皇が「おかわり」をされた感動の一枚

お次は「蘭切りそば」。上品でほのかな甘みの更科粉を卵でつないだもので「卵(らん)」を転じて「蘭」という名前の言葉遊びにも「粋」を感じますね。実はこれ、かつて昭和天皇も召し上がられ、あまりのおいしさにおかわりを所望されたという逸話を持つ由緒ある品なのです。
ツルリとなめらかな蕎麦は噛むとしっかりとしたコシがあって、いくらでも食べたくなるおいしさ。ほんのりした蕎麦の甘さに、ソウダガツオのすっきりした旨みとまろやかな甘みのつゆがよく合って、もう箸が止まりません!
蘭切りそば
続いて抹茶の香りが爽やかな「茶そば」が登場。さらに甘酢を効かせたそばを海苔で巻いた「そば寿司」へと続きます。「つゆにつけすぎずにすするのが通だとか、気にされる方もいますが、まったくそんなことはありません。ご自由に楽しんでいただくほうが我々も嬉しいです」と、穏やかな笑顔の五代目店主・伊藤純司さんは話します。
茶そば
つゆにつけすぎないのが通
そば寿司

「薄緑の蕎麦」が釧路に伝えた江戸っ子の粋

竹老園の蕎麦は、そば寿司に入っていた薄緑色の蕎麦が基本です。これは「緑色を帯びた新蕎麦が江戸っ子に好まれた」という蕎麦文化にちなんでこの色に演出しているもの。蕎麦を味わうだけでなく、その文化をこの北海道全体に広めた存在であることも老舗の素晴らしさと言えるのかもしれません。
薄緑色の蕎麦が入ったそば寿司
「かしわぬき」だって同様です。もともとは江戸時代からあった由緒正しい蕎麦屋メニューですが、現代ではあまり聞き慣れませんよね。でも、竹老園から「かしわぬき」が広まった釧路では、回転寿司のレーンにも回っているほどお馴染みの存在になっているのです。

肩ひじ張らずに立ち寄れるアットホームさも魅力の竹老園

蕎麦の美味しさに舌鼓を打ち、歴史を文化に思いを馳せ、趣ある建物と庭を楽しむ竹老園。とはいえ堅苦しさはまったくなくて、むしろ家庭的な温かさに満ちているのも嬉しいところ。旅の途中で立ち寄れば北海道旅行の思い出をより深みあるものにしてくれますよ!
店内
趣ある建物と庭を楽しむ竹老園

スマートポイント

  • コースに登場する料理は単品でも注文可能。蘭切りそば860円、茶そば970円、そば寿司700円です。
  • お座敷の利用は有料で1時間300円より。予約もできます。
  • かしわぬきがかしわそばから蕎麦をぬいたものであるのと同様、「天ぷらそばの天ぬき」「月見そばの月見ぬき」などの注文もできます(それぞれ蕎麦なしで、スープと具のみになります)。「玉子とじのとじ抜きと、ざるそば」といった楽しみ方をする「通」もいます。

ライターのおすすめ

北海道の蕎麦文化を築いた名店の歴史はとてもここでは語り尽くせません。ぜひぜひお店のホームページや、「釧路の蕎麦文化 ~東家総本店竹老園~」というサイト(備考参照)にも目を通してみてくださいね!

石渡裕美

東京下町から札幌に移住して早20年。北海道LOVE、特に日高・十勝・函館が大好きです。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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