映画「探偵はBARにいる」と続編の「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」。大泉洋さんが探偵を、松田龍平さんが、その助手兼運転手役を務める大学の研究者を演じた2作の映画で、探偵が事務所代りにしていたのがすすきののバーでした。
すすきののバー
そのマスター役の俳優の演技指導をしたり、続編の「ススキノ大交差点」では自身がバーテンダー役で出演もしているのが本間一慶さん。BAR一慶は、その本間さんが経営しているお店です。
BAR一慶
この店の特長は大きく三つ。ひとつ目は、映画に登場するカクテルが飲めること。二つ目は、ウイスキー好き、とくにニッカウヰスキーのファンの間で垂涎の的となっている貴重なオールドボトルが飲めること。そして三つ目が、ウイスキーと葉巻のマリアージュが楽しめること。さらに……いやいや、それはこの先をお読みいただいてのお楽しみといたしましょう。

探偵気分を味わう最初の1杯にギムレットはいかが?

映画「探偵はBARにいる」シリーズの設定とは違って、半地下でこそないものの、やはりすすきのの小路にあるこのお店。
店内
まず最初に飲みたいのがギムレット(1,000円)です。
ギムレットは、映画にもなったレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』以来、ハードボイルド小説や映画と切っても切れない関係にあるカクテルです。
ドライ・ジン2/3とライムジュース1/3、それにシュガーシロップを合わせてシェークして作ります。
ギムレット
本間さんは、話をしている時はとてもにこやかですが、いざ、カクテルを作りはじめると、その表情は真剣そのもの。個性的なヘアスタイルのせいもあってか、修行僧のような雰囲気すら漂います。
そして、何より素晴らしいのは、その一つ一つの所作がきりりとして美しいこと。でき上がったギムレットをこちらへすーっと押し出す仕種や、その動きの止め方にも目を奪われます。大人の時間の豊かさが堪能できる小粋なお店です。

原作者の東直己さんが愛し、映画にも登場するサウダージ

BAR一慶でもうひとつ、ぜひ飲んでみたいのが、サウダージ(1,400円)。映画の中ではカクテル名は出てきませんが、主人公の探偵が飲んでいるカクテルです。
「サウダージは原作者の東直己さんが考案したカクテルで、マティーニをアレンジしたもの。ジンをベースにするのは同じですが、マティーニで使うベルモットをドライシェリーに変えているんです」と本間さん。
アルコール度数は強いですが、人気のカクテルのひとつです。
大きな丸い氷を入れたグラスで提供するという演出もお洒落です。
サウダージ
映画「探偵はBARにいる」とその続編の店内のシーンは、原作の設定に合わせるためにセットで撮影されています。
また、映画では、サウダージ同様、名前の出てこないカクテルも多いのですが、「この状況なら、どんなものが飲まれるか」を考え、その設定を提案した本間さん。立て込んでいない時なら、撮影の裏話も聞けるかもしれません。

ウイスキー博物館に鎮座する、憧れのオールドボトルもここに

お酒がきれいに並んだ棚
600種類以上もあるお酒のうち、半分以上を占めるのがウイスキー。本間さんはもともとウイスキー好き。さまざまなウイスキーを飲むなかで、ニッカバー勤務時代にニッカウヰスキーの大ファンに。店で勉強会を開いたこともありました。
さまざまなお酒
2015年には、全国のバーテンダーのなかから5人だけが選ばれる「竹鶴トップ・アンバサダー・オブ・ザ・イヤー2015」の1人となりました。
もうひとつ、ここで素晴らしいのは、下の写真のような、いまではニッカの余市蒸溜所内にあるウイスキー博物館でしかお目にかかれないような貴重なオールドボトルのウイスキーが飲めること。
オーダーボトルのウイスキー
写真は左からスーパーニッカ プレミアム(発売1990年代・シングル1,800円)、G&G(発売1970~1980年代・同1,800円)、キングスランド(発売1974年・同2,500円)。
国内はもちろん、アメリカ、スペイン、ドイツなどの外国からもニッカウヰスキーを目当てに来る人が多いそうです。

ウイスキーと高級葉巻のマリアージュも楽しめます

さらにユニークなのが、ここにはキューバ産の葉巻が置いてあり、ウイスキーと葉巻のマリアージュが楽しめること。ウイスキーと葉巻は、それぞれの好みや予算に合わせて、お互いがよりおいしく感じられるような組み合わせをアドバイスしてもらえます。
葉巻
葉巻は、葉巻にとって最適とされる温度18~20度、湿度70~80%の環境をキープする専用のスペースで保管されています。写真の葉巻は、名産地のキューバでも最高級ブランドのコイーバ(1本5,800円)。
ずっしりと重い大理石の灰皿は、1940年代に作られたものだそう。同じデザインで白い大理石を使ったものもあります。

葉巻が吸えるお店は貴重です。未経験の方も、1本1,000円からあるここでトライしてみてはいかがでしょう。

すすきのの魅力とスマートでカッコいい飲み方を「飲み育」で

本間さんは父親がすすきので鮮魚店に勤めていたことから、すすきのは子どもの頃からのホームグラウンド。29歳で「一日の終わりにたどり着く場所」をコンセプトとしたこの店をオープンしてから8年。自店の経営に当たるだけでなく、すすきのの活性化のためにさまざまな活動を展開してきました。

とくに、お酒を飲む意味やその楽しさを知らない若い人が増えていることから、目下、力を注いでいるのが、「食育」ならぬ「飲み育」です。スマートに見える飲み方や、カッコいいグラスの持ち方などのマナー指南もその一環です。
カウンター
さらに、「自分にフィットする店を見つけるにはいろいろな店に行くこと」と、おすすめバーの紹介も。この度量の広さがまた魅力。次もまた行きたくなってしまうような素敵なお店です。

スマートポイント

一般的には熟成とは無縁と思われているリキュールが、実は条件が良ければ瓶熟成するなど、お酒にまつわる豊富な知識も惜しげなく披露してくれます。

高そうな印象がありますが、メニューの料金は税込表示で、ドリンクは900円から、フードは700円から。ノーチャージで、サービス料も不要なので、実は気軽に利用しやすいお店です。各種カードも使えます。

札幌市営地下鉄南北線のすすきの駅5番出口から徒歩4~5分と便利な立地。一方通行の通りに面していますが、向かい側のセイコーマートというコンビニが目印。迷っても近くの人にコンビニ名を言えばわかります。

ライターアイコン

ライターのオススメ

ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝が亡くなる前に作った貴重な原酒を使ったオールドボトルも飲めるなど、ウイスキーファンにはたまらないお店。店主の美意識の高さや、すすきのへの熱い思いにふれられるのも魅力。

Writer : Asa Sugai

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札幌生活も10数年。乗馬を楽しみ、冬は歩くスキーや温泉も。北海道は日常の近くに楽しいことがいっぱいあります。

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