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観光観光

2017.11.18

道頓堀を観光するなら路地裏へ
上方浮世絵館で浮世絵制作体験

writer : 塚本隆司

食い倒れの街として知られる道頓堀。その路地裏、水掛不動尊こと法善寺の門前に上方浮世絵館がある。江戸後期から明治にかけて盛んだった上方浮世絵を常設展示した世界で唯一のミュージアムだ。
上方浮世絵館
江戸の浮世絵とはひと味違い、役者の姿を生き生きとリアルに描きあげた役者絵を中心に、版画とは思えないほど美しい上方浮世絵を展示している。在りし日の道頓堀の風情と大阪が培った庶民文化を知る貴重なミュージアムだ。
事前に申し込めば、浮世絵制作体験もできる。グルメだけじゃない道頓堀の魅力を体験しよう。

千両役者も通った法善寺前に建つ「上方浮世絵館」

水掛不動尊で有名な法善寺。難波・道頓堀に来たからには、まずは参拝して欲しい観光スポットだ。
かつて道頓堀界隈には5つの芝居小屋があり、多くの役者や芸人が芸事の上達や商売繁盛を願い参拝していた。今でも大阪松竹座の公演前には出演者や関係者が成功を祈願し訪れている。
法善寺前
西向不動明王の標柱が建つ法善寺正面口前に「上方浮世絵館」がある。開館は2001年4月。驚くことに、個人が運営するミュージアムだ。
オーナーが道頓堀にあった中座や角座の名舞台絵を所有していたことから、多くの人に見てもらいたいと開館した。
猫の看板
今や路地裏だが歴代の千両役者が歩いた通りに、その役者たちを描いた浮世絵を展示する同館があることは意味深い。
目印は、かわいらしい猫の絵に浮世絵が描かれた看板だ。

上方浮世絵の魅力はリアルな役者絵にあり
美しい絵

(写真提供:上方浮世絵館、春好堂よし国『芦屋道満大内鑑』)

上方浮世絵とは、江戸時代後半から明治時代初期の大坂で制作された浮世絵をいう。江戸浮世絵に風景画や美人画が多いのに対し、上方浮世絵は道頓堀の歌舞伎役者絵が中心だ。江戸浮世絵の体裁を整え美化された役者絵とは異なり、美化せずありのままに描いている。
緩やかな階段
1階窓口から、2階へと緩やかな階段が続く。青くきらめく天井は道頓堀川をイメージしたそうだ。壁に掛けられたパネル展示は、上方浮世絵が作られた時代について教えてくれる。難波・道頓堀のガイドブックともいえる名所図会は必見。訪れた多くの人が食い入るようにして眺めていく。
パネル展示
版画道具
2階・3階が展示フロアだ。版画道具をはじめ、3カ月ごとに企画テーマを変え展示している。版画とは思えないほど細やかな浮世絵は眺めるだけでも価値があるが、企画テーマを通して見れば、上方浮世絵の世界の奥深さに感動すら覚える。

子どもから大人まで楽しめる浮世絵制作体験

上方浮世絵を見ていると、つい忘れそうになるのが版画絵だということ。重厚な色使いに髪の毛一本まで描いた細やかさ。肉筆画だと勘違いする人も多いようだ。そこで浮世絵の制作体験を始めたという。
制作体験

(写真提供:上方浮世絵館)

ここで体験できる工程は、浮世絵の摺り(すり)。絵師が描き、彫り師が作った版木を元に、摺り上げる最終工程だ。レターサイズの3〜4色刷りが体験できる。所要時間や難易度で3つのコースが用意されている。
初級の絵

(初級、写真提供:上方浮世絵館)

中級の絵

(中級、写真提供:上方浮世絵館)

上級の絵

(上級、写真提供:上方浮世絵館)

体験は3日前までに予約が必要。小学生以下でも保護者同伴なら体験可能だ。
たくさんの展示品
刷り体験ができる4階は休憩室にもなっているので、浮世絵の資料や道具類の展示を見ながら、ゆっくり休める。

和装小物や浮世絵グッズをお土産に

お土産品
上方浮世絵館に併設されているミュージアムショップも興味深い。上方浮世絵館の窓口とは別に法善寺正門前の通りに面しているため、和装小物の雑貨店と思っている人も多いかもしれない。
店内には地下足袋や伊勢木綿、高島縮など、伝統を守り続ける職人が手掛けた逸品が並んでいる。
人気の品々
お土産として人気があるのが、上方浮世絵館オリジナルグッズ。歌舞伎の隈取(くまどり)をデザインした手拭や浮世絵柄のトートバッグ、クリアファイルなど、ここでしか買えない商品の数々が喜ばれているようだ。
歌舞伎の柄
特に訪日外国人に歌舞伎柄や和装小物の人気が高い。もし難波・道頓堀を観光案内することがあるなら、オススメスポットとして覚えておこう。

スマートポイント

  • 浮世絵ほど日本らしさを秘めた絵はないはず。上方浮世絵は海外でも人気で「Osaka Prints」と呼ばれている。人気の理由は、人物をありのまま描いているところ。強い視線に注目だ。
  • 夏休みやGWなどを除くと来館者の8割ほどが訪日外国人だという。しかも、地域は問わず各地から訪れている。浮世絵の人気は日本人が思っているより高い。
  • 上方浮世絵館の魅力は、企画展示だろう。一枚一枚を眺めるよりもテーマを通して見ることで、なぜこの構図で描かれたのか、時代背景はどうで何が好まれていたかなど、浮世絵を見る楽しみが増える。

ライターのおすすめ

華やかな道頓堀の中にミュージアムがあるとは知らない人も多いのでは。法善寺という観光名所や夫婦善哉の看板に目を奪われて気づかないのかも。法善寺の路地裏をぶらりと歩いて見るのもいいですよ。

塚本隆司

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