1955年創業の「沖縄第一ホテル」。那覇市安里で営んでいた老舗ホテルは、2011年9月に那覇市牧志へと移転して新たなスタートを切りました。約50品目の食品を使った「朝食」は現在も相変わらずの人気です。

約20種類のメニューがそろう豪華さでありながら、カロリーを585kcalに抑えたヘルシーな薬膳朝食。夕食は宮廷料理と薬草料理をコースで提供し、ロビーや食事会場の調度品が並々ならぬ風格を漂わせています。

こ、こんな場所に!ふと赤瓦屋根の建物が現れた

国際通りから徒歩1分。周辺は鉄筋コンクリートのビルや居酒屋が立ち並び、突如現れる赤瓦屋根の建物「沖縄第一ホテル」は周囲の景観とのギャップに意表を突く存在感を放っています。
石灰岩の石垣
石灰岩の石垣に囲まれた敷地内に入ると、賑やかな国際通りの喧騒とはかけ離れた緑豊かな南国の庭園があり・・・
敷地内
「うおおおお。こんな街中にオアシスが…」と感極まって一人で大騒ぎ。巨大なシーサーの焼き物があったかと思えば、和風の石灯籠まで。琉球風でありながら日本庭園の要素を織り交ぜた摩訶不思議な光景だったのです。

老舗ホテルの新たなスタート!そして女将の渡辺克江さんが登場

2代目女将の渡辺克江さん
爽やかな笑顔で出迎えてくれたのは2代目女将の渡辺克江さん。先代の母からホテルを受け継ぎ、2011年にこの場所へと移転を決め、新たなスタートを切っています。

「こんにちは。ようこそお越しくださいました」

声にも爽やかさが溢れる女将の克江さん。

その後、ホテルのロビーに案内してもらうと再び驚愕の声を上げることになりました。

す、素晴らしい調度品の数々、アンティークがずらりッ!

アンティークや沖縄の骨董品
ロビーに入るとヨーロッパのアンティークや沖縄の骨董品が飾られ、人間国宝・金城次郎氏の大きな花瓶の焼き物まで観賞できます。

「安里にあった老舗ホテルのイメージをそのままに。ロビーはアンティークの良さを生かせる内装にしたかったんですよね」

そう話す女将の克江さん。古めかしさの中にも新しい風を感じる琉球
アレンジ。ヨーロッパの要素も取り入れた和洋琉の風格が漂うロビーラウンジです。
沖縄の骨董品
ロビーラウンジ
左側に写っているリゾート感が満載の背の高い籐の椅子。ここに座れば、東南アジアのリゾートを楽しむマダムヤンの気分に浸れるのではないかと、本気で座りたい衝動にかられましたが「今は取材中だからそんな時間ないよね?」と思い直して座るのは断念。

そんなゴージャスな籐の椅子、勇気のある人はぜひ座ってみてください。

これがまたすごかった!和風と見せかけて琉球バージョンの「朝食会場」

食事会場のテーブルは、全部で3テーブル。1度に3グループしか案内できないため、朝食時は8時、9時、10時と時間制で3回転しているとか。

「1時間弱だと、少し慌ただしい朝食になると思うのですが、お客様にご理解をいただきながら提供しています」

なぜテーブル数を増やさないのか。元々老舗ホテルだったこだわりがそこに隠されていました。ゆったりと席を設けて優雅な気分で朝食を食べてもらいたい、そして少人数制ならば徹底したサービスが行き届くから。
朝食会場
有名な沖縄作家の焼き物や琉球漆器が展示され、大きな天狗のお面まで飾られている朝食会場。もちろん由緒正しき有名な作家さんたちの作品です。
大きな天狗のお面

約20品のゴージャスな朝食は、ヘルシーすぎる585kcal

約20品のゴージャスな朝食
朝食の品数を数えてみると、料理18品とドリンクが3品。常時約20品が並ぶ、585kcalのヘルシーな薬膳朝食です。食品を約50品目も使いながら、この低カロリーに抑える秘訣はどこに隠されているのか。そこで女将さんに質問してみました。

Q1:この低カロリーを維持するためには、調味料も何か工夫されているのでしょうか

克江さん「だしの味付けはカツオと昆布と塩だけ。調味料は至ってシンプルで、塩は宮城島のぬちまーすや粟国の塩、沖縄の島胡椒など主に天然のものを使用しています。沖縄の食材の味、野菜そのものの味を楽しんでほしいので過度な味つけはしてません。酸っぱいものは酸っぱく、甘いものは甘く、そして苦いものは苦く。お芋なんて蒸しただけですからね。笑」

Q2:メニューの内容は、どのタイミングで変更するのでしょうか

克江さん「ほとんど変わらないですね。沖縄で取れる島野菜を中心に夏野菜と冬野菜とで少しだけ変えています。あとその時期にしか取れない旬の野菜が出ると使っていきます。いつもの朝食に季節の野菜を1品プラス。1品、2品と通常より料理の品数を増やして。
だから時々お得感のある日があります。笑」

Q3:野菜尽くしのメニューですが、食材の調達や気をつけている点はありますか

克江さん「基本は沖縄の食材を使い、野菜は主に契約農家から仕入れて時々地元のファーマーズで旬の珍しい食材を買い付けてきます。例えば、通年で料理に使っているのが沖縄の島らっきょう。でも生産されていない時期は、うりずん豆など別の食材で提供しています。沖縄の島野菜は、強い日差しで育つためミネラルが豊富で栄養価が高め。一つでも栄養価の高い島野菜を食べてほしいと思っていて」

地元愛が成せる地産地消はもとより、沖縄の野菜に惚れ込む理由はお客様の身体を気遣う思いから生まれたものでもあったのです。
夕食
前日までに予約すれば、宿泊せずとも朝食が食べられ、夕食予約も可能
です。

夕食は、宮廷料理に薬膳料理が入ったコースとなり、「豆腐よう」や「ミヌダル(豚肉にゴマをのせて蒸した料理)」、豚の角煮「ラフテー」など沖縄の宮廷料理をガッツリと食べられます。

[食事料金(お一人様)]
・朝食:3,240円(税込)
・夕食: 5,400円(税込)、6,480円(税込)、8,640円(税込)の3コース

「夕食は入れ替え制ではないので、沖縄のお酒・泡盛のクース(古酒)を飲みながらゆっくりと食事ができます。笑」と話す克江さん。

宿泊ならば、食後は部屋に戻ってすぐに就寝できる状態。これぞ贅沢な気分に浸れる旅行の醍醐味でしょう。
デザート3品
琉球王朝時代に王様のおやつといわれていた宮廷菓子の「冬瓜漬け」。上品な甘さの「あまがし」や「フルーツ盛り合わせ」がつき、朝食だけでもデザートが3品出てくる贅沢さ。約40種類の薬草が入った「薬草茶」は飲み放題です。
朝食のアップ
沖縄の焼き物界の巨匠・大嶺實清氏や稲嶺盛吉氏など著名な沖縄作家が制作した焼き物を器に使い、赤いお皿は琉球漆器です。

朝食予約の人数に合わせて事前に食材を調達し、前日から食材を仕込んで当日朝5時から調理し始めます。朝食だけでも約50品目の食品に及ぶため、前日までの事前予約制となっています。

「朝食のカロリーを抑えたら、旅行中の昼食や夕食も大いに楽しめるのではないか」

そんな思いもこもったヘルシーな薬膳朝食。
一度は食べてみたい沖縄の朝食!としてリストアップしておきたいところ
です。

最後に、気になるお部屋を見学!

ホテルといえば、食事とともに重要なのが客室です。「沖縄第一ホテル」の客室数は、なんと全5室。これは非常に気になる!と見学させてもらった2階のツインルームを紹介しましょう。
2階のツインルーム
館内で一番広い客室は、2階のツインルーム。
ツインルーム
オーソドックスなテーブルとソファー。壁際の鏡台やシーサーの焼き物が飾られたキッチン付です。
テラス付のベランダ
そしてテラス付のベランダまで。

客室の見学後、ちょうどチェックアウトの時間が重なり、忙しそうに館内を動きまわる女将の克江さん。

その姿を見ていてふと気づいたのが、克江さんがお客様を苗字で呼んでいたこと。よくよく考えると私も会った早々から「遠藤さん」と呼ばれていたのです。

どのお客様が何時から朝食を摂り、何時にチェックアウトしていつ出発するのか。

すべてのお客様の導線が頭の中に入っているのか、宿泊客の動向を見ながらロビーで爽やかに声掛けをしていく克江さん。しかも必ずお客様の苗字で「◯さん」と呼びながら。

「自分のことを覚えてくれている?」

そう感じると何だかうれしいものです。さすがは接客のプロ!と思ったのと同時に、お客様とのつながりや関わり方を長年かけて日々工夫されてきたのだろうと確信。客室数が少ないホテルの特権を最大限に生かした行き届いた接客サービスです。

移転の際は「老舗ホテルの古き良き時代の名残と余韻を残してほしい」とのリピーターの声に色々な葛藤があったそうです。この洗練されたホテルの館内には、昭和時代の温かい人情味が宿っていました。

そしてホテルの入口では「沖縄第一ホテルに、めんそーれ!」とシーサーが出迎えてくれることでしょう。
シーサー
「ガオーッ!(めんそーれー!)」

スマートポイント

国際通りから徒歩1分の好立地。朝食、夕食ともに予約制のため、遅くとも前日までには電話予約を!

館内の全5部屋の客室は、内装がすべてが異なった造り。

庭のシーサーや天狗のお面。大作ながらもほっこりできる、そんな調度品も見ものです。

J-TRIP沖縄ツアー
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食事、調度品、接客と元老舗ホテルの風格を感じます。女将の克江さんの接客はピカイチ!温かい笑顔に癒やされてきてください。

Writer : miya-nee(みやねえ)

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JTBの元ツアーコンダクター。現在はライターをはじめとして、Web講師、カメラマンなどと多岐にわたる仕事に取組む。

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