船岡温泉
歴史的建造物の多い京都に、温泉通を唸らせる日本一の銭湯があるのをご存知でしょうか。現在は登録有形文化財に指定されており、創業当時から変わらない唐破風造の建物が出迎えてくれる船岡温泉。さらには見事な装飾に生き生きとした彫刻、欄間の数々。温泉通だけでなく史跡や旧跡が好きな人、彫刻やアートが好きな人など誰もが思わず見入ってしまいそう。たった430円でお風呂に入れてこんな風情を味わえるなんて、わざわざ行く価値ありのお宝観光の銭湯です。

花街の灯が消えると共に料理旅館から大衆浴場へ

船岡温泉の看板
大正12年(1923年)に旅館「舟岡桜」付属の浴場として銭湯の営業を開始しました。当時、西陣界隈は西陣織の旦那衆の娯楽場として栄えていた場所。「舟岡桜」は中でも屈指の料理旅館であり、その浴場ですから銭湯の中でも値段が高め、贅沢浴場として有名だったのです。その後織物業が衰退し、それと共に賑やかな花街の灯も寂しくなっていきました。昭和22年(1947年)、「舟岡楼」は大衆浴場「船岡温泉」として再出発したのです。

脱衣所をぐるりととり囲む見事な欄間の透かし彫り

凛々しい姿の鞍馬天狗の彫刻
入口は当時の料理旅館のまま残し、見事な唐破風造の門が出迎えてくれます。天井を見上げれば凛々しい姿の鞍馬天狗の彫刻。さらに、東西南北へと広がる透かし彫りの欄間は、今まさに飛び出すのではないかと思うほどの臨場感があります。
透かし彫り
透かし彫りは、宮内庁御用達の彫刻家がたったひとりで10年かけて丹精込めて作った力作。じっくり眺めてみてください。鶴亀などの縁起のいいものや葵祭、今宮神社のやすらい祭りなど京都上賀茂になじみ深いお祭りの様子。御所車が素敵です。
欄間の透かし彫り
さらには皆様ご存知ではないかもしれませんが、上海事変で活躍した「肉弾三勇士」の姿も。当時、日本を一世風靡したヒーローであり、実在した三人組です。流行りモノを欄間に彫り込んでしまうなんて、なかなかユニークですね。

マジョリカタイルやコイも鮮やか

マジョリカタイル張り巡らされた手洗い場
浴場へ向かう途中に渡り廊下があり、手洗い場が設置されています。マジョリカタイルがびっしりと張り巡らされ、その美しさに息を飲むでしょう。大正時代に大流行したというこのタイルは触ってみると凹凸があり、色彩も大正ロマンを思わせますね。
タイルのアップ
今では貴重なものですから、この手洗い場だけでも目の飛び出るような価格になりそう。
コイ
渡り廊下に使われているのは、千本鞍馬口で実際に使われていたという「菊水橋」の石橋と欄干。下にはコイが泳いでいます。これはある日市電のために橋が取り壊されることになり、もったいないとここへ移築しました。
貴船石
露天風呂にある「貴船石」は水をかけると七色に変化する不思議石です。

お風呂自体は超近代的

大浴場
通常の大浴場に加え、ここが日本で初めて導入したという電気風呂があります。さらに漢方薬の入ったくすり風呂、高温風呂、泡風呂、ジェットバス、サウナ、水風呂、打たせ湯をはじめ、露天風呂は檜造りと岩風呂の2種が揃います(男女日替わりで入れ替わる)。この露天風呂も船岡温泉が初めて取り入れたのだとか。
露天風呂
当時、ほかより値段が高めだったのも、うなずけますね。今までにない設備とデザインだったのですから。
岩風呂
430円という値段でたくさんのお風呂が楽しめてさらに文化財を間近で鑑賞できるなんて、とても贅沢ではないでしょうか。日本一の銭湯といわれるのも納得です。

スマートポイント

シャンプーなど売っているので手ぶらでOK!

ドライヤー30円。

直営のゲストハウスもあり、宿泊とセットもあり。

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ライターのオススメ

欄間彫刻は四隅全部違うので必見。休憩室へ行く途中もしっかり彫刻あり。

Writer : 鈴木ナナ

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人間観察、食べ歩き、酒場めぐり、映画、旅が好き。魑魅魍魎の住む京都で、毎日よそもんの観光気分。

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